お見舞いの定番といえば『お花』。
お花は癒しと元気を与えてくれるので、患者に喜ばれるものだったのですが…病院によってはお見舞いの生花がタブーなところもあるんです。
良かれと思ってしたことが断られたり、嫌な思いをさせてしまっては台無しですよね。そんなことにならないように、今回はお見舞いの生花問題に元病棟看護師がお答えします！
【お見舞いのタブー】診療科によっては生花がNG!!看護師が教える贈って良い花＆駄目な花
1. お見舞いに生花がタブーな診療科
まず、お見舞いにお花を持っていくときに気を付けなければならないこと。
もちろんお花の種類も大事ですが、どんな病院・診療科にお見舞いに行くのかどうかも非常に重要なことなんですよ。
お花の種類を気にする前に、診療科ごとで「なぜ生花がタブーとされているのか」、その理由を知っておきましょう。
生花が絶対NGな診療科は下記の通り。
× がん治療を扱っている患者がいる診療科
× ICUやCCUなど緊急性の高い患者がいる診療科
× 認知症閉鎖病棟
× 精神科
ひとつずつ説明していきますね。
× がん治療を扱っている患者がいる診療科
がん治療では、抗がん剤の影響で免疫力がかなり低下していきます。
普通の人ではかからないような病気にもかかってしまうリスクがあり、生花はタブーとされています。
生花や外から持ち込んだモノからの感染症で、最悪の場合、死に至る場合だってゼロではありません。
× ICUやCCUなど緊急性の高い患者がいる診療科
ICUやCCUなどの緊急性の高い病棟でも、がん治療病棟と同様に免疫力・抵抗力が低下した患者さんや、些細なことでも体調増悪しやすい不安定な状態の患者さんが多くいます。
たとえ、お見舞いとしてお花渡される人が大丈夫でも、同じ空間にいる他の患者さんのことも考えなければなりませんよ。
× 認知症閉鎖病棟
認知症病棟では「生花」を花として認識できる人ばかりではありません。
口に入れたり、綺麗だと言いながら摘んでポケットにしまい込んでしまう患者さんがいる可能性も少なからず考えられます。
× 精神科病棟
精神科病棟には匂いに敏感な人が多いです。
お花の世話ができなくて水が腐ってしまって異臭を放ったり、そのことで体調が悪くなったりメンタルが不安定になったり…多くのリスクが潜んでいるんです。
◆ 感染症や生花が死亡の原因になる診療科は原則タブー
感染症や、死に直結するような不安定な状態の患者さんがいる診療科では、生花を持って行くのは原則タブー。「お見舞いの定番・お花」イメージが強いかもしれませんが、お預かりしても飾ることは難しいでしょう。
お花を贈りたい気持ちは大変分かりますが、命の方がずっと大切ですよね。
◎ わからない場合は病院に直接聞くのが1番
とはいえ、どんな患者さんが多い診療科なのか分からないことも多いと思います。分からない場合は、病院に電話や面会時に聞いてみるのが一番いいです。
看護師でもいいですし、大きい病院であれば総合窓口などで説明してくれるはず。分からないまま贈ってしまって、嫌な思いをさせない・しないように！
2.【元病棟看護師の経験談】お見舞いの生花は負担も大きい
病棟看護師として働いていた頃の経験談を少しだけお話します。
わたしが勤めていた病棟では、抗がん剤治療中の患者さんもいる診療科でした。
大部屋の患者さんは比較的お見舞いにお花を頂く方は多くはないのですが、個室の患者さんになるとお花を贈られることが多かったように思います。
生花を飾りお部屋の雰囲気がパッと明るくなるのですが、看護師的にはとても複雑な気持ちになったりもします。
というのも、水換えや選定などきちんと行える状態の患者さんばかりではありません。そのため、そういった患者さんに贈られた生花の管理は看護師の仕事に…。
多くある業務工程の中に「お花の世話」という作業が加わるのは看護師の負担になります。一人や二人なら…とは思いますが大人数ともなると、お花の世話に費やす時間を確保することは難しくなっていくでしょう。
緊急入院や緊急オペ、急変などイレギュラー対応をしなければいけないことも多いんです…。
看護師にお願いするのはタブーとまでは言いませんが、生花が患者さんや看護師の負担にならないように配慮しましょう。
お花を綺麗に保ちたいのであれば、生花ではないお見舞い品を贈るのをおすすめします。
病棟がOKでも贈る花によってはタブー！贈って良い花・ダメな花は次ページ!!
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