2. これってもしかして…?認知症を疑ったら

認知症かもしれないと思ったら、迷わず相談しましょう。
認知症はみっともないことでも恥ずかしいことでも、珍しいことでもありません。
きちんと早期に対応していれば、進行を緩やかにすることができます。
ここでは、相談窓口や治療の流れについて解説していきますね。
■相談できる場所はどこ?
認知症かどうか判断するには病院に行ってみなければいけません。
認知症専門外来・精神科・神経内科…などに、本人と一緒に行ってみましょう。
「病院に行くまえに、どこかに相談しておきたい」という場合には、下記の相談窓口を利用してみましょう。
・役所にある高齢者福祉課
・地域包括支援センター
・認知症介護電話相談窓口
身近で利用しやすい場所にあり、本人を連れていかなくとも相談できるので足を運んで相談に行ってください。自宅近くにある認知症に特化した病院の情報を教えてもらえたり、話をきいてアドバイスしてくれたりします。
相談するときにまとめておくといい情報としては、下記の通り。
・症状はいつ頃から始まったか、何かきっかけはあったか
・現在の気になる症状、家族が心配している症状
・これまでの生活習慣
・現在治療中の病気や、服用中の薬の有無
これらの情報をまとめて、医師や相談機関の職員に伝えてみましょう。
■早期発見が認知症治療のカギ
病院に行ったほうがいいかもな…と思ってはいるものの、生活に支障が出てないから大丈夫だろうと中々行動につながらないことも多いのが現状です。
離れて暮らす家族がよくありがちなのが、「もうしばらく様子をみよう」と先延ばしにすること。
正直言って、先延ばしは危険なんです。
いつの間にか進行して、徘徊して事故に巻き込まれる可能性もありますし、食事もままならない状況になり自宅で倒れていた…なんてことにもなりかねません。
ちょっとでも異変を感じたなら一歩踏み出して、早めに必要な治療に進んでいく必要があります。
認知症というのは完治することはないですし、薬を使っても進行は止められない病気ではありますが、早めに治療がスタートできれば進行スピードを緩やかにすることができます。それに、治療が早ければ早いほど効果が期待できるんです。
この先何年も変わらず元気でいるためには、早めの治療スタートが肝心になってくるんですよ。
■本人が病院に行きたがらない場合
本人自身が「最近ちょっと変だな」と不安を感じていることがあったとしても、その不安を正直に話してくれることは極稀。家族が「認知症の検査に行こう!」と誘っても、病院への重い腰が上がらない人、行きたがらない人も多いでしょう。
そんなときは「健康診断に行こう」「○○(症状)を相談してみよう」などとオブラートに包んで誘ってあげてください。
かかりつけ医がいて、定期通院しているようならその診察のついでに相談してみるのもいいと思います。
3. 認知症の種類によっても症状が変わる?

認知症には種類があり、それによって特徴的な症状が違います。
症状の出方なども人によって違うので難しく感じてしまうかもしれませんが、筆者の経験も含め参考にしていただければと思います!
■認知症の種類
認知症を分けてみると、主にこの4つに分類されます。
① アルツハイマー
② 脳血管性
③ レビー
④ その他
全認知症の約半数以上を占め、1番多いのがアルツハイマー型認知症。
アルツハイマー型認知症は女性に多く、脳の萎縮が原因とされています。
特徴的な症状としては何度も同じ話をする、作り話をする、物獲られ妄想などです。
2番目に多いのが脳血管性認知症。
脳血管性認知症は脳卒中に起因して引きおこるもので、高血圧・糖尿病・動脈硬化など生活習慣病がリスクとなり男性に多いです。
物忘れ、手足のしびれ、運動麻痺などの症状が現れます。
そして、最近増えているのがレビー小体型認知症。
物忘れなどに加え、幻視(動物や子供など可愛いものが見えるのが多いそう)、うつ状態、パーキンソン症状などが現れるのが特徴的です。
■症状の出方も千差万別…
認知症の症状は「これがあれば認知症」というわけでなく、総合的に判断することが必要になります。
今まで紹介してきたことはあくまで一般論。
症状の出方も、程度も、頻度も人それぞれ違うのが難しい部分なのです…。
何度も同じことを聞いてきたと思ったら、まともなことを話してきたり最近の話をしてくれたりすることも少なくありません。
筆者である私は介護施設で数年、認知症の方やご家族の方々と関わってきました。
同じアルツハイマー型認知症でも違う症状の方もいますし、似ている症状の方もいます。家族の接し方でも症状の出方が変わってくるようにも感じます。
初期の段階では認知症本人も、当たり前ですが忘れることへの不安感・喪失感が混在していますし、知らない道で迷っているような心理状況になります。
そのような不安感を理解してあげること、安心させてあげることも心がけて接するようにしてくださいね。
「なんか変だな」と異変に気付くこと、早く治療がスタートすることが認知症にとって非常に重要。
それは本人だけでなく、家族のためでもあります。
これからも元気でいてもらうために、今から出来ることを行動していきましょう。
認知症は思っている以上に身近なものなんです▽
【認知症の初期症状チェックリスト】家族が気付けるポイント&早期受診のススメ
- 1. 家族が認知症の初期症状をチェックしてあげることが必要
- 2. 早期発見&治療スタートが重要!
- 3. 認知症の症状は種類や人によっても様々
ライター後記
認知症の初期というのは、本人はもちろん家族も「認知症のはずないよな…」のような否定や抵抗感を持ってしまいがちです。それは当たり前ですし、認知症の介護をされている人が皆通る道だと思います。
「もしかして…」と異変や変化を感じたときに、先延ばしにするのではなく、まずは相談してみましょう。そうすれば専門家からの判断やアドバイスをもらえて、不安感も少しはなくなると思います。
もるつ
すぐそこまで来た2025年問題が心配すぎる
看護師だったが今までとは違った新しいことをしたいと思い、ライターに興味を持つ。「自分だから出来ること」を仕事にしているカッコいい女性に憧れている。 趣味は、見たことのないような絶景やキレイな海を求めて旅に行くこと。他に好きなものはお寿司、ドラえもん、本屋さん。苦手なものはカエル。
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