自分の両親や祖父母が年を取ってきて心配になるのが「認知症」。
“年相応の物忘れ”と“認知症の物忘れ”には決定的な違いがあるのはご存知でしょうか?
今回は、「もしかして…」と思ったときに役立つ認知症の初期症状をまとめました!
介護業界で認知症の方とたくさん関わってきた筆者が、認知症の症状チェックリストから早期発見・早期治療の必要性まで徹底レクチャーしていきます。
【認知症の初期症状チェックリスト】家族が気付けるポイント&早期受診のススメ
1. 気になる認知症の初期症状まとめ

これって年相応のもの?それとも認知症によるもの?と区別するのは難しいと思ってしまうかもしれませんが、この2つには大きな違いがあるんですよ。
その違いと、認知症の初期症状について解説していきます。
認知症の初期症状チェックリストで今の状態も確認してみましょう。
■年相応の「物忘れ」と認知症の大きな違い
年相応の物忘れは【思い出の一部】を忘れて思い出せないことが多いですが、認知症の場合【体験自体】を思い出せないことが特徴です。
分かりやすく例を挙げると、このようになります。
【年相応の物忘れ】
・昨晩何を食べたか忘れる
・買い物に来たが必要なものを買い忘れる
・もの忘れを自覚している
【認知症の物忘れ】
・食事をしたこと自体忘れる
・外出したが、なぜ外出したのか分からなくなる
・もの忘れの自覚がない
また、この二者の間にいるのが「軽度認知障害(MCI)」と呼ばれる人たちです。
簡単に言えば認知症予備軍(認知症の一歩手前)。
この軽度認知障害の段階では物忘れなど症状はあっても、自立した生活が出来るといわれているので見過しやすいので注意が必要です。
軽度認知障害も放っておけば認知症に悪化することがあり、早期発見や早期対応が不可欠とされています。
■認知症の初期症状チェックリスト
注意が必要な変化や症状をリスト化したので、認知症の判断に役立ててみてください。
□何度も同じことを言う
□物の名前が出てこなくなった
□置き忘れ、しまい忘れが多くなった
□感情の起伏が激しくなった
□よく知っている人(近所の人など)の名前を覚えていない
□好きだったことにも興味を示さなくなった
□慣れた道でも道に迷ったりする
□身だしなみを気にしなくなった
このような症状、変化が1つでもある場合は認知症を疑いましょう。
家族が気付く認知症の初期症状として一番多いのが、「同じことを何度も言う、尋ねてくる」だそうです。
先程の年相応の物忘れとの違いも参考にしつつ、家族(子供や孫)が注意深くチェックしてあげることが、早期発見につながる何よりの方法です。
特に、フラットに物事を見れる「孫の目」はとても大事だと私は思います。
自分には関係ないと思わず、10~30代の孫たちも協力してあげてくださいね。
■離れて暮らす家族でも出来るチェックポイント
離れて暮らしている場合は年に数回しか会えないという人も少なくないはず。
そんな人でもチェックできるポイントがいくつかあるのでご紹介します。
□久しぶりに行くと部屋がちらかっている
□洗濯物が山積み
□家族の名前が思い出せない
□話しかけに対して返答が食い違う
□返答に時間がかかる
□ぼーっとしている
□最近の話はあまり覚えていない
□昔のことはよく覚えている
今や核家族化が進み高齢者世帯も増加していて、その中でも高齢者の単独世帯も増えているのが現状です。
高齢者の一人暮らしのような誰とも会話しない生活であれば、特に認知症の進行も早めてしまうリスクも高いです。
他者との交流や社会活動、趣味活動など楽しんでいるのか等も、帰省の際は確認してみてください。
■進行するとどうなる?
一番危惧しているのが、認知症が悪化してしまい介護の負担が増えること。
介護は肉体的だけでなく、精神的・経済的にも大変なことです。
認知症が進行してしまうと生活に支障が出てきてしまい、介護疲れやストレスから家族関係が悪化したりする恐れも…。
ただ、自分の親が認知症になったからといって絶望する必要はありません!
多くの介護支援サービス、その人らしく生きていけるようにサポートしていく仕組みがありますので。
たとえ認知症が進行したとしても「何も出来なくなる」というわけではなく、残存している能力もあるので過度に心配する必要はないと覚えておいてください。
認知症っぽいけど、どうしたら…?相談すべき場所は病院+○○!
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