尿の色は普通なのに、尿バッグ(尿袋)が紫色になる現象。
初めて見たときは驚いてしまうものでもありますよね。
留置カテーテルを使用している人によく見られる、その「紫色尿バッグ症候群」について今回は詳しく解説していきます。
気になる作用機序や、対応方法もしっかり確認していきましょう!
尿が紫色に変色。もしかして重い病気!?【看護師が解説!尿の色で分かる病気のサイン】
1. 紫色の尿は何のサイン?

入院中など、尿バルーンバッグ(留置カテーテル)にみられる紫色の原因は一体何なのでしょう?
■紫色尿バッグ症候群とは
慢性的な便秘症と尿路感染を合併したときに尿バッグが紫色になる現象を「紫色尿バッグ症候群」といいます。
尿の色は正常でも、尿バッグやカテーテル部分が紫色に変色してしまうのです。
寝たきりの高齢者や長期に留置カテーテルを使用している入院患者に多くみられるものでもあります。
■紫色の尿バッグになる原因
ちょっとだけ難しい話になりますが解説しますね。
便秘で増殖した腸内細菌がインジカンという物質になって尿中に排泄されます。このインジカンが尿中の細菌で分解され、インジゴ(青色色素)インジルビン(赤色色素)が生じることにより、赤と青の混じった色(つまり紫色)になるという作用機序となっています。
2. 紫色の尿を放置してしまうのはNG

尿路感染などのリスクが高いため、尿バッグの紫色を放置してしまうと、尿量減少・発熱などその他の症状が引き起こる可能性が高まります。
ひどい場合は尿路感染が上行性に感染し、腎炎などにも悪化する恐れがあります。
そうなると発熱や悪寒、戦慄、腰背部痛などの症状が現れてしまいます。
また、水分不足により便秘が悪化するリスクも高く注意が必要です。
3. 紫色の尿だったらどうするのが正解?

尿バッグが紫色だからといってすぐに危険!ということはありませんが、リスクが高いということ。
そのまま観察を行い、尿路感染の兆候がないか、便秘は悪化していないかなど確認する必要があります。
感染兆候が見られる場合には医師に相談して、適切な治療をしてもらいましょう。
そして尿カテーテル留置は最小限にするようにし、便秘改善として水分摂取量も確保していけるように努める必要があります。
◆ 他の尿の色も要チェック
尿の色は意外にもたくさんあるんです。
オレンジ、茶色、黄緑、赤…などびっくりするような色も。
自分の健康状態を確認するには尿の色、尿の量や回数などもとても重要になります。
病気の早期発見、健康意識を高めるためにも日々セルフチェックしていくようにしていきましょう!
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尿が紫色に変色!もしかして重い病気!?【尿の色で分かる病気のサイン】
- 1. 紫色尿バッグ症候群は寝たきりや留置カテーテル長期使用者に見られる。
- 2. 尿路感染や便秘悪化の危険が高い!
- 3. 紫尿バッグ以外の症状に要注意。
ライター後記
紫色尿バッグは臨床であればそこまで珍しい事ではありません。
泌尿器科にいたのもあり、尿カテーテルを使用していた患者様がほとんどでした。
そのなかでも長期間尿カテーテルを留置している人、ほぼ寝たきりの人は「紫色尿バッグ症候群」が多かったです。
紫色になるほかに、熱はないか、違和感はないか、排便の状況はどうか等確認していくことがとても重要になると思います。
もるつ
高齢者+留置カテーテルはリスク大
看護師だったが今までとは違った新しいことをしたいと思い、ライターに興味を持つ。「自分だから出来ること」を仕事にしているカッコいい女性に憧れている。 趣味は、見たことのないような絶景やキレイな海を求めて旅に行くこと。他に好きなものはお寿司、ドラえもん、本屋さん。苦手なものはカエル。