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【ニュー男子】われに返った話



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先日、とあるサイン会の手伝いをする機会に恵まれた。
そこでのぼくの役割はとても曖昧。要するに人手が足りていたということなのでしょうが、自分の罪悪感なのか無価値観からなのかそんな時の傾向として、周囲を見渡し、できることがないかを探りたい私。

そんな状態でいた最中に、
「サインの宛名を書く紙がなくなるかもしれないから、紙を半分に切って並んでいる人たちに渡して」
とのミッションを受け、「よーし!」 と意気込み、また「早くしないと!」と焦り、
ぼくは束になったその紙を半分におりビリビリとほとんど力技で破いた。
そして「はい、これ!」と担当者に渡すとその人は目を丸くして「え、本気???」となった。

はい。実は私、本気だったのです。
なんというんでしょう、ふぞろいな、いかにも手で破ったみたいな紙を”問題”と思う発想がなかった。
だけど少し考えてみれば、そうしたオフィシャルな場で、その雑な紙はNo Good。
ここは家じゃなければ友だちとの遊びの場でもない。
本を買ってくださった方が時間をさいてやってきてさらに並び、憧れの人のサインをもらうというスペシャルな時空なのだ。
瞬間、恥ずかしさと恐怖に包まれ、喋ったことのない別のスタッフの方に急いで「ハ、ハサミありませんか!?」と尋ね、
ふぞろいな紙のふぞろい部分をザワザワした心でカットしたのでありました。

ぼくにはそういうことがときどきある。
何の疑問も持たず、当たり前にしてしまっていることが周囲に「え?」と言われ、ハ!っとすることが。
そうしたことの思い出す限り最初の出来事は、小学校時代のいつかに、自分の洋服についてのリポートみたいなのを書く課題が出され(なぞの課題)、
1日目、ブラウス、ズボン、セーター。
2日目、ブラウス、ジャンバー、ズボン。
というように書いたところ、「ブラウスは女の着るものだ」「男がブラウスっておかしい」と囃されたことだ。
その時、顔から火が出そうな恥ずかしさと、母へのすごい怒りを覚えた。
母は一人っ子だったことも関係しているのか、男三兄弟のぼくたちに着せるシャツを「ブラウス」と表現していた。
だから、ぼくたちもそれを「ブラウス」と思い込み、そう呼んでいた。
その頃、自分が男らしくないことを恥じていたので、
男の自分が「ブラウス」を着ていたことで、自分の男らしくなさが誰かの悪意の標的になるのでは、と恐れ、そのような危険を持ち込んだ母に激しく怒ったのだった。

また、ぼくにとっては忘れることのできない”ブラウス事件”の何が事件だったかというと、わが家の常識が世間の常識とイコールではないと初めて知ったのと同時に、絶大、絶対なる親が必ずしも正しいわけではないと体感できたことにある。
ふりかえれば、ショッキングな出来事はそのように大事ななにかを教えてくれるものだ。

さて、この度の”力技で紙を破いた”件は、個人的には猛反省なのだけど、意外な気づきをもたらしてくれた。
イベント後、「本気??」と言ったその方に「非常識ですみません!!」と謝ると、彼女は怒ることなく、「一瞬ありかな、って思ったんだけどね」と笑いつつ、

「私は言い方がきついんだよね。傷つけたらごめんなさい」などと逆に謝られた。

さらに翌日の打ち上げで、イベントを主催したボスにその話をすると、「やぶった紙、いいじゃん」と面白がられたのだった。

大先輩2人のその反応に、あれ? となった。
ちゃんとしなきゃいけないし、間違っちゃいけないはずの場面で、ぼくの非常識は、個人的には完全NGなのだけど、それは案外、「悪」ではないのかもしれない。

自分のことをこう書くとおかしいが、たとえば、そうしたことは、行うことが自分の得や楽から発想した意図的なものだったらBadでも、精一杯取り組んだ結果のズレであれば、心情的にはGoodなこともあるのかもしれない。
誰かの非常識が、誰かの常識を壊すよき機会になることがあるのかも。

あたりまえにしたことに「え?」と反応され「ハ!」となり、「自分はなんてことをしたんだろう」と猛省するこのパターンは、本当に、ぼくの”パターン”なのだな。
「え?」となったからといって、自分を否定する必要はない。
常識の違いを認め、その場においてより良き方を選び、その出来事をこれからに活かせばOK。
さらにこの場合はパターンの根底にある「自分は間違っている」という観念を手放していくこと。

そのように捉えると、badな出来事はgoodな出来事となり、つまりはbadもgoodもないとなる。
良し悪しだらけの世界から、どちらでもない中立の世界へとまた一歩進めたようで、
ほんとにラッキーだなー、と思う私の「直近われに返った話」でございました。
最後までお読みいただきありがとうございました。

 



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