ライターの北条かやが、独自の価値観をもった人々に会いに行く本連載。
今回はミスiD2019ファイナリストで、ライターの桃倉ももさんです。第2回では、24歳ならではの迷える仕事観を掘り下げます!!
ライターなのに芸能界のオーディションを受けた理由
北条
ミスiDのオーディションって、玉城ティナちゃんとか水野しずちゃんとか、
若者に人気のアイコンを輩出してるよね。芸能人志望が多いイメージだけど、ライター志望のももちゃんはレアじゃないの?
桃倉ももさん
ミスiDのオーディションを受けたのは自分のためなんです。私、自分のことが心底キライで。
北条
自分のことが嫌いっていうの、すごく分かるよ。でも、はたから見ればももちゃんは可愛いし、「自信もってるんでしょ」って言う人もいるだろうけどなぁ。
桃倉ももさん
うーん……私は誰かに認められたいんですよ。でもライターの仕事って、そこまで褒められるもんでもないじゃないですか。
北条
だよね。文章なんて書けて当たり前の世界だし、失敗したら炎上するし。
桃倉ももさん
仕事ですごく褒められることって、あんまりないですよね。
オーディションは自分を好きになるための通過点かもしれない
北条
まあ、「ライターってすげ~!」みたいな感じで来ちゃった自分からすると、24歳でそこまで冷静な仕事観のももちゃんはすごいと思うけどね(笑)!
桃倉ももさん
(笑)私は仕事でも恋愛でもいいから、誰かに認められたいっていう気持ちが強いんですよ。
ミスiDのオーディションではそこが自分に合ってたんだと思います。
北条
具体的に褒められることも多いもんね。
桃倉ももさん
はい。ちゃんとした審査員の方々に自分を見てもらえるし、ファイナリストに選ばれたってことは「目に見える強み」があったってことになるのかなって。
北条
二次審査では「桃倉さんは骨格が美しい」って褒められたというエピソードも(※注:ももちゃんはとても顔が小さくて手足が長いです)
(ミスiDホームページより)
桃倉ももさん
具体的ですよね(笑)。審査員の方が、そうやってちゃんと見てくれるのが嬉しい。
だからミスiDは、私にとって自分を好きになる通過点なんですよ。
北条
良い話だなぁ……。
桃倉ももさん
今、最終選考を前にしてオーディションを受ける意味が自分の中で変わってきたんです。
北条
それ、noteでも書いてたね。(「ファイナルにまで残ったことが逆に自分を追い込む」)
桃倉ももさん
はい。ファイナリストになってもあんまり自己意識は変わらなくて。
私は私のまま。だからもし受賞しても、何も変わらないのかなって思いますけど、
自分を好きになるためのきっかけにはなったかな。
どうでもいい人からちやほやされても気持ち悪いだけ
北条
好きな人に認められたいっていうのが、ももちゃんの仕事観を支えているんだね。
桃倉ももさん
とにかく自分がキライだから、好きな人や尊敬している人から認められたら、自分を好きになれるかもって思うんです。
北条
確かに、自分が何とも思ってない人から「良いね!」って言われても「はぁそうですか」くらいなもんで、自己肯定感はあまり上がらない。
桃倉ももさん
そう、そうなんですよ!好きな人から言われて初めて「嬉しい」って思う。
どうでもいい人からちやほやされても、自分を好きになれないです。理想のレベルが高いんですよ。
下を見て安心するなんて、絶対にイヤ
北条
理想の高さといえばこの前、「ハリウッドで印税生活したい」ってツイートしてたけど(笑)
桃倉ももさん
あれはさすがにネタですよ!(笑)でも理想はすごく高いです。
北条
それは分かる。身近な他人と自分をあんまり比べないよね。
桃倉ももさん
自分と同じぐらいの人とか、下は全然見ないんです。だって自分より下のブスとか、仕事できない人たちを見て安心するなんて、ダメじゃないですか。
北条
すごく高いところを目指している。
桃倉ももさん
で、理想と現実の落差がありすぎて、今度は凹むっていう(笑)。ライバルのレベルが高すぎるんですよ。同世代のめっちゃ売れてる子とかを見たら落ち込みます。
石原さとみよりアン・ハサウェイ
北条
ももちゃんってさ、「石原さとみが好き!」とか普通の女の子みたいなことは言わなくて、
いきなり「アン・ハサウェイの顔になりたい」って感じだから面白いよね。
桃倉ももさん
(笑)そうなんですよ!! 憧れる対象が大きすぎるんです。アン・ハサウェイと比べちゃったら、そりゃ誰でもブスですよね(笑)。
画像
桃倉ももさん
そもそも私、外国映画が好きなんです。世界観が日本とかけ離れているから、見ていると自分の悩みがちっぽけなものに感じられる。。
北条
悩みが相対化されるもんね。それで海外好きなのか。
桃倉ももさん
ちょっと大きなこと言っちゃおうかな。将来は好きな人がハリウッドデビューして、
付いて行って一緒に海外生活して、おしゃれな記事と海外ゴシップネタを書くライターになりたいです(笑)!!
(第3回に続く)
北条かや
同志社大学社会学部、京都大学大学院文学研究科修士課程修了後、民間企業勤務を経て、
『キャバ嬢の社会学』(2014年・星海社新書)を刊行。
『整形した女は幸せになっているのか』(2015年5月26日・星海社新書)
『本当は結婚したくないのだ症候群』(2016年1月28日・青春出版社)
『インターネットで死ぬということ』 (2017年4月16日・イースト・プレス )
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