近頃、ニュースで「マタハラ」という言葉をよく聞きませんか?
マタニティハラスメントの略語であるマタハラは、妊娠・出産・子育て中の女性に対しての嫌がらせなどのことを指します。
今回はマタハラを受けないために、どんな対策をするべきなのかを解説していきます。
マタハラは自己対策も必要!多くの女性を悩ますマタハラ問題に終止符を!
1. マタハラの被害が減らない原因とは

いつか自分が被害にあってしまうかもしれないマタハラ。なぜマタハラが起こってしまうのか、マタハラ被害が減らない原因はなになのかを考えていきましょう。
■ マタハラとは
働く女性が妊娠・出産をきっかけに嫌がらせを受けたり、雇止めや給料減などの不利益を被る不当な扱いを受けることです。肉体的な嫌がらせだけでなく、精神的な嫌がらせ、いじめなどもマタハラになります。社会問題になっているハラスメントです。
■ マタハラの原因
日本は男性が仕事をして女性が家庭を守るという考えが古くからあり、この考え方により、働く女性への理解が得られにくいと考えられます。
また、残業するのが当たり前、という職場環境にも原因があるのです。
世界的に見て日本は長時間労働の傾向があります。
そのため、休みをとることや早退することが悪いことのように思われマタハラに繋がるんです。同僚や会社が「働く女性が子育てをする」ことに対して理解を示していないことが根本の原因といえるでしょう。
2. マタハラ対策【個人が出来るコト】

マタハラを受けてしまったとき、また受けそうになったときにマタハラ対策として、なにができるでしょうか?事前にマタハラ対策を知っておくことで被害を最小限に抑えることができるかもしれませんのでチェックしてみてください。
■ マタハラ対策【個人が出来るコト①】相談窓口へ
マタハラで困ったら相談窓口で相談しましょう。上司や同僚に相談できたらいいですが、上司や同僚からマタハラを受けることもあるので会社の相談窓口や公共の相談窓口に相談しましょう。
マタハラにあっているかもしれない…というあいまいな段階でも相談することで解決へ向かうこともあります。相談無料の相談窓口もあるので気軽に相談しましょう。コチラで詳細をチェック。
【参考記事】『マタハラの相談先、いくつ知っていますか?知っておくだけでも大違いなマタハラ相談窓口について』
■ マタハラ対策【個人が出来るコト②】マタハラは嫌だと意思表示する
マタハラを受けたとき、相手にはっきり嫌だと伝えましょう。相手に悪気がなく、気づかずに発してしまっている場合もあります。相手に悪気がない場合は早期改善が見込める可能性があるので、しっかり自分の意志表示をさせましょう!
■ マタハラ対策【個人が出来るコト③】思いやりの気持ちを
会社として妊婦が働くことや、マタハラについての理解を深めていくと同時に、妊婦や育児をしながら働いている女性も上司や同僚に対し、仕事での協力やなにげない気遣いを当然のことと思わず感謝の気持ちを忘れずに示していくことが大切です。お互いに気持ちよく働くことができるように常に思いやりの気持ちを持っておくようにしましょう。
3. マタハラ対策【企業がすべきコト】

平成29年1月に、「男女雇用機会均等法」が改正され、「マタニティハラスメント防止のために必要な措置」(マタハラ防止措置)をとることが企業に義務付けられました。マタハラ防止措置といっても、企業としてなにをしたらいいか分からず悩んでいませんか?ここでは、マタハラ防止措置とはなにをしたらいいのかを説明していきます。
■ 法律に則った適切な対応をしていく
実際にマタハラを防ぐには法律にそった適切な対応をしていくことがなにより大切です。企業がマタハラ防止のためにおさえておくべき法律上のルールとして3つのルールを紹介します。
① 妊娠や産休取得、育休取得を理由とする不利益な取り扱いは法律で禁止されている。
② 育児休業からの復帰は、原職または原職相当職への復帰が原則である。
③ 転勤により育児が困難になる従業員については、転勤にあたり配慮が求められる。
ここでは簡単に説明していますが、しっかり法律のポイントを抑えて知っておくことで対応していくことができます。
【参考記事】『マタハラの法律について知っておいて損なし!マタハラ防止のために企業が変えていくべきこととは?』
■ 多様な働き方ができるような、働きやすい職場作り
人それぞれ抱えている家庭事情に悩むことなく、仕事において能力発揮できれば少子高齢化による人材不足を防ぎ企業の成長に貢献することができます。世の中の変化に柔軟に対応し、マタハラなどのハラスメントを予防する措置をとることで、職場復帰や休業の支援をし人材の安定的な確保につながります。
■ 復帰しやすい環境整備
長時間労働、育児と仕事の両立など働くにあたって多くの問題があります。現在は7割近くが共働きで、家事や育児、介護も役割分担を家族で協力して支えあっていく時代になっています。
「子育て中の女性は働かなくていい」「男性は介護より仕事を優先する」など自分が持っている価値観を周囲に押し付けるとマタハラ、ケアハラに発展してしまいます。職場復帰制度の理解や周知を深めることで、介護や産休、育児休暇の取得もしやすくなります。制度を積極的に活用できる環境づくりも重要です。
■ 時短や休業などの制度の明確化
育児や介護を理由にした時短勤務や休業の取得は、労働者の権利ですが上司や同僚からの不満を持たれやすいことがあります。「早く帰るのは不平等、休みをとっていてずるい」と思われ、ハラスメントに繋がっていくことがあります。
しかし、突然親の介護が必要になったり、自分が入院することも考えられます。時短勤務や休業制度の利用は他人事ではありません。制度の利用を特別なこととするのではなく、誰もが利用しやすい環境を作っていくようにしましょう。