男らしい体形を作るのに有効な筋トレの一つに、懸垂があります。懸垂は上半身にある複数の筋肉を鍛える事ができます。正しい姿勢でトレーニングを続ける事ができれば、懸垂だけでも美しい逆三角形の体型を手に入れる事ができるのです!
しかし、懸垂は初めから正しい体制でできる人が少なく、一見できているように見える人でも、間違ったやり方でやっている事がある、とても難しいトレーニングなのです。間違った状態で懸垂をやっていると、懸垂の効果を半減するばかりか、事故や怪我にもつながります。
今回は、懸垂の正しいやり方と初心者におすすめの懸垂のやり方、懸垂にありがちな間違えについても解説していきます。
初心者だからこそおすすめしたい懸垂のやり方と成功へのSTEP!間違えがちなやり方も紹介!
1.【初心者必見!】懸垂の正しいやり方と成功へのSTEP

まずは、懸垂の正しいやり方を学びましょう。筋トレは基本的なやり方をしっかり押さえてこそ効果を発揮します。この基本的なやり方と共に、初めて懸垂をやる人が安全に、効率的に懸垂が出来るようになるトレーニング方法をまとめました。
◇ 懸垂の正しいやり方
先に、基本的な懸垂のやり方を解説します。
まず、鉄棒やバーを、肩幅から拳2つ分外側に離れた位置で握ります。握り方は順手です。この時、
・体のブレが気になる
・筋肉があまりなく、自信がない
という人は足を後ろで組みお尻の方に軽く寄せておきましょう。体のブレを抑える事ができます。
手の位置を確認したら、目線をバーの中央付近に固定したら、スタートポジションが完成します。
スタートポジションが完成したら、そのまま背中の力で体を引き上げます。肩甲骨を寄せるようなイメージで行います。出来るだけ体を持ち上げます。具体的には、胸の上部がバーに触れる位が目標です。
肘がちゃんとまがっている事を確認したら、体を上げた状態を1秒キープしましょう。その後ゆっくりスタートポジションに戻ります。これで1回です。
筋トレ回数の目安としては、8~15回を1セットになります。これを3セット繰り返します。
◇ 懸垂成功へのSTEP
先程紹介した懸垂のやり方ですが、初めて懸垂をやる人や、筋肉があまり無い人がやろうとすると、かなり大変です。というより、出来ない人が多いです。
・初めて懸垂に挑戦する人
・正しい懸垂のフォームを維持できない人
この様な条件に当てはまる人は、初めから正しい懸垂のやり方で始めようとすると、懸垂ができないか、出来ても体に負担がかかりすぎて怪我や事故を起こしてしまう可能性があります。安全にできてもかなり大変ですから、モチベーションも下がってしまいますよね。
正しい懸垂のフォームができなかった人は、負荷の少ない懸垂から始めて、徐々に正しいフォームのやり方に移行する、ステップ式にやってみてください。
◎ 懸垂成功へのSTEP①: 斜め懸垂から始める
一番初めは、負荷の少ない斜め懸垂のやり方から始めてみましょう。斜め懸垂は懸垂ができない人でもやりやすく、バー等がなくてもテーブルの縁等を活用して行える懸垂です。懸垂が難しい場合は、斜め懸垂で懸垂に必要な筋肉を鍛えましょう。
斜め懸垂のやり方は、以下の通りです。
1. 懸垂で握るバーやテーブルの縁の位置を、肩と同じ位の位置に調節して下さい。
2. 地面に膝をつき、グリップを握りましょう。
3. 懸垂の正しいフォームを参考にしつつ、上半身を持ち上げます。
4. 限界まで上半身を持ち上げたら、ゆっくりと下げて下さい。
これを、基本の懸垂と同じく8~15回を1セットとし、3セット行って下さい。徐々に筋肉が付いてきますので、斜め懸垂に慣れてきたら次のステップに移りましょう。
◎ 懸垂成功へのSTEP②: バーにぶら下がれる時間を長くする
斜め懸垂である程度必要な筋肉を鍛えてあげたら、実際にバーにぶら下がり、背中で体を持ち上げる感覚を体感してみましょう。このステップでは、バーにぶら下がれる時間を長くする事が目標になります。
バーにぶら下がった状態で、肩甲骨を動かして下さい。肩甲骨でぶら下がった体を持ち上げるイメージで動かします。10回で1セット、3~5セット行います。これをステップ1のメニューを1、2セット行った後にやって下さい。セット数は自分の体力に合わせて変更します。
◎ 懸垂成功へのSTEP③: 補助ありで懸垂を行う
バーにぶら下がれる時間がある程度長くなったら、いよいよ本格的な懸垂に移ります。まずは補助を付けた状態から始めましょう。
足の下に踏み台等を置き、足で補助をしながら基本の懸垂のフォームに従って体を動かします。ここで気を付けて欲しいのが、フィニッシュの状態です。体をバーに限界まで近づけ、1秒その状態をキープするのですが、この時の感覚を覚えておくようにして下さい。
ステップ3は、ステップ1、2を1~2ステップを行った後に、10回を1セットとして、3セット行います。
このステップのポイントは、フィニッシュの時の感覚です。フィニッシュの時に感じるのは、背中の収縮の感覚です。懸垂は体を動かしている時よりも、フィニッシュの姿勢を維持している時に筋肉が鍛えられます。
このフィニッシュの感覚を覚える事で、
・懸垂で使う筋肉を正しく鍛える
・腕だけの力で体を引き上げようとするのを防止する
事ができます。
懸垂の効果や安全性を維持するためにも、このステップはフィニッシュの感覚をよく意識しながら行って下さい。
◎ 懸垂成功へのSTEP④: まずは3回。自分で懸垂をしてみる
補助付きの懸垂をしばらくしていると、補助がなくても懸垂ができるようになります。補助付きの懸垂が楽にできるようになったら、まずは3回補助なしの状態で懸垂をしてみましょう。
この時、気を付けて欲しいのが、補助なしでできるようになっても、懸垂の回数を増やしたり、負荷をかけたりしないようにするという点です。
いきなり回数を増やすと、反動を利用してトレーニングをしたり、正しい筋トレのフォームが崩れたりする可能性があります。反動を利用した筋トレやフォームが崩れた筋トレは効果が半減します。
焦らず、いつも通りのトレーニングを心がけて下さい。
・最初に3回やってみて、まだ余裕があるようなら次の回数をこなしてみる
・補助なしで懸垂をしていても、疲れてきたら補助を使う
といった工夫をしながら、ゆっくりと懸垂の回数を増やしましょう。
目標としては、懸垂10回を1セット、これを3セットできるようになる事です。少しずつ、目標に向かって頑張ってみましょう。
◎ 回数が増えない場合は広背筋を鍛えよう
懸垂をやっていて回数が伸びない場合、広背筋の筋力不足が考えられます。広背筋は懸垂で最も使う筋肉です。この筋肉が鍛え足りないと、あるステップの段階で止まってしまう、最後のステップでの回数が増えないという事態にぶつかります。
懸垂のステップが進まない、回数が増えないという場合は、懸垂以外の筋トレも併せて行い、広背筋を徹底的に鍛えてあげましょう。
懸垂で背筋を鍛える5つのメリット【正しい懸垂(チンニング)をマスターしよう!!】
2. 懸垂のやり方で間違えがちなパターン集

単なる筋力不足以外にも、間違った方法で懸垂を行っているとうまくできなかったりしっかりと筋肉が鍛えられないことがあります。懸垂で間違えがちな行為について、パターン別に解説していきます。
▼ 懸垂のやり方で間違えがちなパターン①: デッドハングしていない
デッドハングとは、懸垂に使うバーに両腕の肘を完全に伸ばした状態でぶら下がる姿勢の事です。このデッドハングをする事で、腕の可動域全体を使って体を鍛える事ができます。
デッドハングができていないと、腕の可動域が中途半端な部分までしか使えません。懸垂の効果が減ってしまうのです。これを避けるには、懸垂で体を下げる時のフォームに注目しましょう。
懸垂で体を下げる時、腕が完全に伸びた状態になるよう意識しながら体を下げましょう。懸垂は静止時のフォームによって筋肉を鍛える筋トレですが、その後の下げるフォームにも注意して下さい。
▼ 懸垂のやり方で間違えがちなパターン②:体をしっかり上げていない
先程のパターンとは逆に、体をしっかり引き上げていないパターンです。筋力が足りない場合や、体を引き上げる時に、限界まで体を引き上げていないと起きてしまいます。
懸垂をする時は、回数よりもフォームを正しい状態で維持する方が効果的です。背中の筋肉を意識しながら、体を限界まで引き上げましょう。それでも正しいフォームにならない場合は、筋力不足が考えられます。上で紹介したステップをこなして、筋力を上げましょう。
▼ 懸垂のやり方で間違えがちなパターン③:反動を使って体を上げている
初心者にやりがちなのが、反動を使って体を引き上げてしまう事です。体を動かしたり、反動を付けたりして体を引き上げても、筋トレの効果はありません。それどころか、怪我や事故の元になります。
懸垂をやる時は、背中に意識を向けながら、ゆっくり行いましょう。背中の筋肉とフォームの乱れに気を付けながらやれば、少ない回数でも十分な効果を得られます。逆に、どんなに回数をこなしていても、背中の筋肉を使っていなければ意味がないのです。
▼ 懸垂のやり方で間違えがちなパターン④: 肩甲骨を寄せていない
これも先程のパターンと同じく、初心者にありがちなパターンです。懸垂の正しいフォームでは肩甲骨を寄せるようなイメージで、背中の力で引き上げるのですが、これが出来ていないと肩や腕の筋肉で体を引き上げてしまい、背中が鍛えられないのです。
懸垂で体を引き上げる時は、肩甲骨で引き上げるようなイメージで行いましょう。懸垂は背中を鍛える筋トレです。腕や肩の力で体を引き上げないよう、正しいフォームで行って下さい。
▼ 懸垂のやり方で間違えがちなパターン⑤:腰を反らし過ぎている
体を引き上げる時、バーにできるだけ近付こうとして、腰が反ってしまう人がいます。腰が反った状態で懸垂をすると、腰の椎間板を常に押しつぶしているような姿勢になります。腰に負担がかかり、腰痛の原因になるのです。
懸垂をしていて腰痛を感じた場合は、腰が反っている可能性が高いです。フォームの見直しをしましょう。
また、フォームが崩れている時は体に疲労がたまっている場合も多いので、適度な休憩も大切ですよ。
3. 正しいやり方でやってこそトレーニング

懸垂に限らず、トレーニングは正しいフォームとやり方が重要になります。筋トレをする時は、定期的に正しいやり方でできているかを確認しましょう!
負荷を上げたり回数を増やすことよりもフォームの正しさが何よりも大切なのですから。
懸垂は自宅でも簡単に始められます!
懸垂バーの人気おすすめ4選!自宅に取り付けて気軽にトレーニング!
初心者だからこそおすすめしたい懸垂のやり方と成功へのSTEP!間違えがちなやり方も紹介!
- 1. まずは懸垂の正しいフォームを覚えよう!
- 2. 無理は禁物!! 筋肉を少しずつ鍛えながら正しいやり方を目指そう!
- 3. 正しいやり方で懸垂できてる?定期的にフォームを見直そう!
ライター後記
懸垂は腕や肩を鍛える筋トレだとばかり思っている人が多いですが、背中の筋肉を鍛えるトレーニングだったんです。筋トレは正しいフォームで行ってこそ真価を発揮する、というのは知っていたのですが、ここまで気を付けなくてはならないとは知りませんでした。
星田 ヤチヨ
男らしい背中は正しい懸垂フォームが作る!
美容や健康の記事を中心に、ライターとしてお仕事をしています。誰でもできるケアを紹介する、をモットーに、肌や髪のケア方法や、ダイエットの方法を発信しています。