ライターの北条かやが、独自の価値観をもった男女に会いに行く連載がスタート。
初回は、元ギャルユニットのリーダーで、現在はタレント、モデルとして活躍するはるたむさんです!
第2回では、「総額1200万かけた」美容整形への考え方を聞きました。最終回では、はるたむさんの恋愛・モテ観に迫ります!
「美人とブスで3億違う」

なんかさ、女の子の方が、男の子より「整形したい」ってなりやすいよね。そこに男女差があるなぁって。

女の子は、男の子よりも「顔命!」だと思うんですよ。
これを言うと性格悪いかもしれないですけど、「美人とブスで生涯年収が3億違う」っていうじゃないですか。

さ、さんおくえん!?

そう、普通の子で3億違うって言われてて。
で、私みたいな一応ちょっとモデルとかタレントとか、あとキャバ嬢の子とか、見た目がお金に変わる子だともっと変わる。

職業柄はあるよね。タレントさんとか見ても、言わないだけでほとんど整形してる。

そうそう、そう! 自分的には整形に1億円かけたとしても、その1億円は戻ってくると思ってて。
もちろんやりすぎはよくないですけど、女としての自己プロデュースのため、先行投資みたいな。

男の子はイケメンでも、モデルとかじゃない限りそこまで大きく得しないけど、
可愛い女の子は絶対に得します。まず、寄ってくる男の数が違う。色々払ってもらったりとか。

露骨だよね。男の人がすべておごってくれるのが当たり前の世界と、ワリカンが当たり前の世界がある。
男は、美人とブスに差をつけすぎている

男の人の方が、女の子の容姿に対して厳しくないですか? 美人とブスですっごい差をつけてる。

分かる。私の場合はデブだった頃と、脂肪吸引して足が細くなってからの扱いが全然違った。

それ! 身体も大事!

脂肪吸引してからは後ろ姿が劇的に変わって、細い服が入るようになって。
自意識はババアなのに声をかけられる数があからさまに増えたから、「後ろ姿は見られてるんだなぁ」ってしみじみ実感したよね。

足は大事ですよ、大事。はるかも脂肪吸引やりたいんですよ。やりた~い! でもあれって失敗したりとかしないですか?
(この後、脂肪吸引について、意見交換が熱を帯びる。熱く語り合う2人。
これがはるたむさんの言う「女子会でも整形の話メイン」ってやつか![※第2回参照]すごく楽しかったです)
顔は良くても中身がクズな男って「……あれ?」

女の子は、男性に対してイケメンかどうかって気にしてない。顔よりもむしろ包容力とか、
あとはお金持ちかどうかの方が全然大事! 自分の周りでも「顔では選ばない」って子の方が全然多くて。

確かに、自分も男の人の顔は気にしない。

むしろ、顔が良くても中身がクズな男性って「……あれ?」みたいになるじゃないですか。

(笑)顔が良い分、ダメさが際立っちゃうというか。

そうそう! でも男性って「可愛かったら(ダメ女でも)OK」みたいな人が多いですよね。だから商品パッケージと一緒だと思うんですよ。
中身がどんだけ美味しいとしても、箱がダメだったら手にとってもらえない。きっかけづくりができるから、可愛い子は得だと思う。
自分の見た目はこだわるのに、相手の見た目は全然気にしない

「意外だね」って言われるんですけど、はるかは自分の見た目にはこだわるのに、
相手の見た目は全然気にしないんですよ。年齢も、20代でもいいし30代でも40代でもいい。さすがに自分の親より年上とかは無理ですけど。

すごく分かる。私は自分の顔がイヤで、鏡を見ながら「ここにシワがある、この目尻が嫌」とか、
ずっとダメ出ししてるから、正直なところ男性の顔まで見る余裕がないというか。男性に「顔のここを直したほうがいい」なんて全然思わない。

思わない、思わない!

自分の容姿に厳しい反動からか、男性の見た目には全くこだわりがないんだよね。相手が整形したいなら止めないけど、基本的にはどうでもいい。
天然イケメンを見ると緊張しちゃう!

生まれつきすごいイケメンの人とかだと、逆に緊張しちゃうんですよね。自分がコンプレックスで整形してるから、天然イケメンを見ると緊張する。

分かりすぎて怖い。逆に、整形イケメンだったらそれほど緊張しないかも(笑)。

そうそう(笑)! はるかは別にB専じゃないけど、「顔がかっこいいから付き合いたい」とはならないです。
別にイケメンは否定しないですけど、顔の良さよりも安心感とか包容力じゃないですか。

なんかね、整形して「ない」子の方が、むしろイケメン好きが多い気がする。

それ、すごい分かります!

彼女たちは多分、コンプレックスがそんなにないんだと思う。
はるたむさんや私はコンプレックスがすごいから、相手があまりにイケメンだったり完璧すぎたりすると、怖くなるんじゃないかな。

あ~! そうかもしれないです。

自分へのコンプレックスがそんなになくて、かつイケメンが好きな子って「イケメン=正義」っていうわかりやすい図式なんだけど、
コンプレックスが深い女の子は「イケメン=正義」とはならない。ちょっとねじれてるんですよね。
世の中の男性の7割は恋愛対象

そんなはるたむさんの恋愛対象になる人って、どんな人?

まず、第1にフィーリング。次に価値観が合う人。だって「整形無理」って言う人とは付き合えないし、こっちも無理だから。

確かに。

「ギャルはダメ」って人も無理だし……結局、価値観かな。遊び方とか。自分はアウトドアとか旅行とか、
派手に遊ぶのが好きだから、「家でゲームしてたい」って男の人はダメですね。でも顔は気にしないです。

顔よりフィーリング。

はるかは自分へのこだわりが強いから、「万人受け」しないんですよ。それを自覚してるから、
相手の顔にこだわって「イケメン、芸能人がいい!」って言ってると、誰とも付き合えない(笑)。

自分が個性的になると、相手に寛容性を求めるようになるよね。「自分を受け入れてくれるなら顔とかいちいちこだわりません」みたいな。

だから恋愛対象は全然広いです。世の中の男性の7割くらい大丈夫ですよ。

7割!? でも男性の中には、色々気にして「女性に相手にされないんじゃないか」って不安に思う人もいるかもしれない。

すっごい分厚いメガネかけてるみたいな、生理的に無理って人はいますけど……でもそれも外見じゃなくて、
価値観の問題な気がします。めっちゃオタク! みたいな方とも、まず価値観が合わないと思うし。
月収14万の美容師と付き合った話

はるたむさんって、テレビのときも思ったんですけど、すごく周囲に気を使う方だなって。
だから、どんな男性にも全員に平等に接するけど、そもそも周りに月収8万円のフリーターさんとかがいないんじゃないかと思う。

月収8万円とかのフリーターさんは、まず周りにいないです。
そもそもめっちゃ「モサい」みたいな男の人が周りにいないかも。月収15万円のサラリーマンさんみたいな。

モサい! ダサいともまた違って、モサい!

一度、月収14万の美容師さんと付き合ったんですけど、
ご飯とか行くと1万円くらいかかるじゃないですか。14分の1じゃないですか。申し訳なくて……。

お金の使い方も、価値観の不一致になるよね。あとは色々言ってくるとかね。

その美容師の人は、途中から「ギャルじゃなくてこうした方が良いよ」
みたいなことをすごい言ってきたから、「え、ちょっと無理、ギャル無理ってそれ無理!」ってなって(笑)。

お金よりもそっちが問題かもしれない(笑)。ギャルって精神性みたいなものだから、そこを否定されちゃうと。

そう、それで合わないって別れちゃったんですよ。価値観は大事です。
ホストにお金使うくらいなら、整形で自己投資したい

そもそも、はるかは「整形しちゃえば男の人がたくさん寄ってくるからそれで大丈夫」って考えなんですよ。

(笑)待って、具体的にどういうこと?

たとえば「ホストが好き」とか、「アイドルの追っかけをしてる」っていう子に対して、
「え、それだったらホストに使ってるお金で整形して可愛くなって、もっとたくさんの男を惹きつけた方が良くない?」みたいな(笑)。

ああ、確かに……今の話、書いていい?

全然、大丈夫です。私の中で整形は「自分磨き」で、エステとかジムと同じ。
自分にお金をかけて可愛くなれるんだったら、すれば良くない?って思う。

自分に投資した方が、結果的に男性を選ぶ立場になれるぞっていう。

そう! コンプレックスがないなら別に整形する必要はないけど、
「ちょっと鼻が気になるな、目が気になるな」って思うんだったら全然したらよくない?って、思っちゃうんですよね。

う~ん、なるほどなぁ。はるたむさんと私は整形観や男性観が似てて、すごく面白いです。今度、もっとディープな美容話もしましょう。

はい! これから脂肪吸引とか骨削りとかもやりたいんで、ぜひお願いします。今日はありがとうございました!
北条かや
同志社大学社会学部、京都大学大学院文学研究科修士課程修了後、民間企業勤務を経て、
『キャバ嬢の社会学』(2014年・星海社新書)を刊行。
『整形した女は幸せになっているのか』(2015年5月26日・星海社新書)
『本当は結婚したくないのだ症候群』(2016年1月28日・青春出版社)
『インターネットで死ぬということ』 (2017年4月16日・イースト・プレス )
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