辛酸なめ子連載 特別編――ヒマラヤ聖者の高次元ヴァイブスを浴びる――

長時間の迷走は尾てい骨の痛みとの闘い

　オレンジ色の鮮やかな衣に身を包んだヨグマタジが登場されると、空気が変わりました。「ハリオーム。こんばんは」とインドのスピリチュアルな挨拶ではじまった講演会。「謙虚な題名ですがヒマラヤのヒントがちりばまっています」「ヒマラヤの恩恵に出会うのは最高の幸せ」「あなたの中の神秘の力を目覚めさせ、豊かな人生を送っていくためのヒントがあります」と静かに確信に満ちた声で語るヨグマタジ。
「仏陀やキリストもインドで修行しました。真理の教えの誕生はヒマラヤ聖者にあります」と言われると、手の届かない高尚さを感じますが、ヨグマタジはわかりやすい例えで話してくださいます。
「蛇は脱皮しますよね。私の脱皮は解脱っていうんです」
たしかに解脱で生まれ変わって若返られています……。
「(瞑想で座っているのは)体がちゃんとしていないと痛くなっちゃう。海のようになってエネルギーが調和しないと座れません」
私など精進が足りないので、長時間瞑想していると後半は尾てい骨の痛みとの闘いです。
「ガイドなしの瞑想は危険なのでマスターが必要です」
というのは、本でもよく書かれていて、昨今の瞑想ブームに警鐘を鳴らしています。マスターなしで瞑想していると、パンドラの箱が開いたように、過去生の膨大なエネルギーが噴出し、自分では手に負えなくなってしまうそうです。過去生がよほどクリーンだと自負している人以外は危険です。