時刻は午後の1時をすこし過ぎたところ。
が、彼はまだ起きてこない。そしてそれは、べつに驚くようなことではない。
その間にわたしは、前夜猫が散らかした居間を片付け、
洗濯をし、屋内植物に水をあげ、など、隣の部屋に寝てる人がいることなどにノー配慮で作業をしましたが、それでも寝ている。
ひとことで表すと彼とは、超マイペース。
曰く、高校時代「起きられない。寝ていたい」という理由で出席日数が進級にさわるほどに学校を休んだ年もあったのだそう。
初めてその話を聞いた際は「それほんと?」とビックリしたが、10年以上いっしょに暮らした今は「でしょうね」。
かつてはそのあまりの眠りぶりにイライラし、「もうこんな時間!」と寝室の雨戸をあけて無理やり起こした私ですが、
それでもマイペースを貫く姿勢にまいり、あきらめた。
すると、今度は自分こそが本当は”ずっと寝ていたい”のだと気づき、
学生時代、彼と同じように寝ていた自分を、それこそ「強制雨戸あけ」などで母からイライラ起こされたという記憶がよみがえった。
DNA的なことだけでなく、こうした「それはダメ」という価値観や、
その価値観にもとづく行動の継承を「カルマ」と呼ぶのかもしれませんね。
ということで、それについてのわがカルマは、彼が鏡となり教えてくれ無事に解消することができたのであります。
さらに、そんな彼の超絶なマイペースぶりを、いつしか尊敬するようにもなった。
たんに寝ているだけで尊敬を獲得するなんて、なんとお得な人生なのでしょう。
さて本日、実は初めての試みを行ないこの作文に向かってみたのですが、気がつきましたか? いえ、気がつかないはず。
だって答えは、”深呼吸をし宇宙とつながる意識を一瞬もってから作文作業を開始した”という、めちゃくちゃ抽象アクションなのですから。
そして自分ですらその効果や違いがよくわからないのですから。
……と、ここまでは快調にするする言葉が出てきましたが、パタリと止まってしまったので、「止まってしまった」と書いてみる。
そんな実況中継の意味とは、”とにかく手を動かす”というあり方が、エネルギーなりなんなりを動かすことかな、と思うからであります。
でも、そういうことってありますよね?
ひとつのゴミが目につき拾おうと手を伸ばしたら、横にある埃に気がつきそちらも拾う。すると、床の髪の毛が静電気か何かで手にはりつく。
そうしてドミノ倒し的に物事が展開していった先に「わ!」と驚くような何かが待っていることも時にはあって。
話しはいったん飛びますが、昨夜、昨年末に泊りがけで行った仕事の打ち上げがあり。
超簡単な場所だから「行けばわかるし」と、店の名前さえひかえずに余裕で向かったところ迷った私。
自己過信とはこのことか、住所も地図も不携帯で調べようがなく名前も忘れていたので人に聞くこともできない。
最後は”一応”とメモってあった番号に電話し、たどりついた時にはメンバーの8割は着席していて、汗。
そんな遅刻参加ゆえ、選択の余地なくあてがわれた席にて会に参加していると、
目の前のTさんが、どのような流れでそうなったのかは忘れたが、ある神社の話をはじめた。
するとその横のAさんが「あ、僕もそこに去年行きましたよ」となり、ひと盛り上がり。
でも、いちばん盛り上がったのはぼくですよ。
なぜかというと、その神社とは、前夜に「春分というホロスコープ的お正月を前にそこにお参りに行きたい」と、
彼にもちかけ、来月出かけることになったそこだったからです!
って、「へー。よくある偶然だよね」。そうお思いの方もきっと多いのでしょう。
でも、ぼくは、お伝わりかと思いますが、その出来事に興奮。
「よばれてる!」などと大袈裟に捉え、帰宅するとさっそく彼にもそれを伝えたのでございます。
”メイクドラマ”とは、スポーツ界などでよく使われていそうな言葉ですが(長嶋茂雄の造語だそう)、
勝敗が必ず決まるというその世界に限らず、白黒つかぬあいまいな日常にこそメイクドラマを使いたい。
そして、平凡な今日をドラマティックにメイクする力とは、誰あろう自分自身に備わっているのに違いない、と思う私なのであります。
と、今日もなんとなくどこかに着地できたかな、と思えたまさにナウ、みなさん、彼が起きてきましたよ!
なんとライトタイムなのでしょう、 と、またメイクドラマしたところで、本日はおひらきとさせていただきます。
最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。
ニュー男子 拝