包茎包茎言いますが、その種類を正しく理解している人はどれぐらいいるでしょう。おおよそ「仮性包茎か真性包茎か」というところで皆さん心を砕いているかと思いますが、包茎の世界はその2つでは終わりません。また、子どもの包茎は大丈夫なの? いつからズル剥けてないとまずいものなの? そんな、保健体育で先生が教えてくれなかった「いつまで、そしてどこまでの包茎がセーフか問題」をこっそり解き明かしましょう。
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包茎の種類を完全解説!子供の包茎と大人では何が違うの?
1. 子どもは包茎がデフォルト。ズル剥けは逆に心配!?

いま現在包茎という人もそうでないという人(←何しに来たの?w)も、まずは振り返ってみてください。子供時代を。
もれなくみんな皮を被っていましたよね。
小さなころに親が撮ったフルチン写真を見返しても、幼馴染と素っ裸でプールに入った記憶をたどっても(難しい?)、そこにあるのは皮被り。俺も包茎、あいつも包茎。みんな包茎、仲良く包茎!
実は、男児は生まれてきた時点で全員包茎で、むしろそれが正常といえます。
■有名大学病院も明言
“もし亀頭部全体が包皮でおおわれていないような場合はむしろ尿道下裂などの先天性のおちんちんの異常を疑う必要があります。この時期は包皮と亀頭表面とが完全には分離しないでくっついています。”
出典:東京女子医科大学病院
それが成長とともに変化していき、生殖器が急激に成長する思春期を経て、皮がスムーズに下がっていくことが多いのだそう。
つまり14〜15歳ぐらいまでは、むけてない派が多いということですね!
なのでこの年令ごろまでは包茎について「ダサい」かどうかという観点からも、「病気?」という観点からも、とにかくあまり考えなくてよさそうです。
■【息子を持つ人必見/子どもの包茎で注意すること】
ここからは小さな息子を持つ人向けのお話です。
あ、息子って、リアルな子どものことで官能小説や親父雑誌でいうところの「ムスコ」ではありません。
前述の通り子どもの包茎は自然なことではありますが、皮があるせいで尿が溜まると細菌に感染しやすくなることもあるようです。
また、3歳ぐらいになるとちんこをいじるようになるため、そこから細菌感染することも。
それを予防するために小さいうちに皮をむく「包皮翻転指導」というものがあり、家庭用に応用した「むきむき体操」なるものまで存在しています。
ただしこちらも、無理におこなう必要はないそう。
とくに男子のちんこ事情に疎く、かつ育児を任せっきりにされているまじめなお母さんが「む、むかなくては!」という強迫観念に駆られたゆえに敢行してしまうこともあるようなので、「ギャン泣きする我が子を無理にむく必要はない」と、痛みが想像できる父の立場から諭しましょう。
2.【大人の包茎の種類その1】仮性包茎

いっぽう、大人の包茎は子どものそれとはワケが違います。
「みんな包茎、仲良く包茎!」の時代は終わりを告げ、「あいつはズル剥け、俺包茎」という事態が生じてくるのです。
「包茎 すなわち 悪」かどうかは別の稿でも詳しく触れますが、まずは大人の包茎の種類を理解するところから始めましょう。
というわけで、もっとも多いもの、それが仮性包茎です。
「ふだんはかぶってるけど、勃起すれば剥けるもの」と広く認識されていますが、これは若干大雑把な理解。
仮性包茎にも軽度と重度に分けられます。
●軽度
これが一般的な仮性包茎のイメージにもっとも近いと言えるでしょう。
平常時は引っ込み思案のムスコ(←あ、こちらは親父雑誌的「ちんこ」の呼称です。ちんこって言っちゃったよ)だけど、勃起すると自然とひょっこり出てくるやつです。
●重度
一方こちらは、というと、平常時も引っ込み思案なら、勃起しても引っ込みがちな奴のこと。
え? それって真性包茎と何が違うの? と思ったアナタ、仮性包茎の定義は以下のようです。
“仮性包茎の正確な条件は「皮は被っているけど、手で剥けば簡単に亀頭を露出できる状態」とされていて、実は皮の被り具合は関係ありません。”
3.【大人の包茎の種類その2】真性包茎

となると真性包茎は? こうなります。
完全に亀頭に皮を被っている状態で、通常時・勃起時を問わず皮を剥く事ができません。
手で無理やりむこうとしても、ガッチリくっつき痛くて剥けない。
それが真性包茎です。
引っ込み思案というより引きこもりっぱなしなので、入浴中に中の人を洗うこともままなりません。
見た目以上にこうした衛生面の問題が、やがて深刻な病気につながるリスクとなるのです。
■後天性真性包茎なるものも
また、真性包茎には、生まれた時のものが治らずそのまま成人してしまう「先天性真性包茎」のほかに、「後天性」も存在。
“後天性包茎は,包皮が何回もただれたあとや,環状切開術のあとに皮膚が狭くなってできることがあります”
環状切開(切除)術とは、まさに真性包茎を治療するために保険適用がされるほぼ唯一の手術ですが、せっかく手術を受けたのにそれがまた真性包茎の理由になりかねないというのはなんとも悲しいことですね。
さらに、生活習慣が包茎を招くことも…!
少し話はそれますが、糖尿病は、遺伝など体質的な理由によって本人の生活習慣とは関係なく発症してしまう「1型糖尿病」と、食べ過ぎや運動不足、ストレスなどの生活習慣が遺伝的要因と重なって発症する「2型糖尿病」があります。
その糖尿病になってしまうと、末梢の血流が悪くなります。
超ざっくり言うと、血糖値が高い血流はドロドロのためです。これがひどくなると、手足の壊死や失明などを引き起こし、糖尿病の合併症として危険視されているのですが、血流悪化はちんことて免れません。
血液がドロドロになることによって、包皮に十分な酸素と栄養が行き渡らなくなり、炎症を起こしやすくなるように。
これを「糖尿病性包皮炎」といいますが、悪化するとついには「糖尿病包茎」に。
最悪の場合、真性包茎になってしまうというのです。
生活習慣の乱れが真性包茎を招くこともあるなんて…! 不摂生、ダメ、絶対。
4.【大人の包茎の種類その3】カントン包茎

そしてもう1つ、急に耳慣れない言葉になるのがこのカントン包茎です。
漢字で書くと嵌頓包茎。
嵌とは「はまる、はめる、はめこむ」。嵌まると書いて「はまる」と読みます。
頓は「額を地につけておじぎをする」とか「にわかに」とか「ととのえる」とかやたらと意味がありますが、「くるしむ、こまりはてる」という意味も。
というわけで嵌頓とは「はまってくるしい」状態と、勝手に解釈します。いま。
というのもこの包茎は仮性包茎の一種ではあるものの、皮の出口が狭いため、皮を剥こうとすると痛いのです。
そして無理くり中の人を全部出しても、その出口の狭さゆえに根本を締め付けて、簡単に元には戻らなくなるのです。
というわけで、カントン包茎の定義は、
「強引にやれば剥けるけど、簡単に元の状態に戻す事ができない」こと。
でもって「嵌頓」の本当の意味は、
“腸や子宮などの内臓諸器官が、組織の間隙からとび出し、そのまま腫れて、もとに戻らなくなった状態”
となります。
とくに「包茎」と限定されない限り、「嵌頓」はヘルニアとして理解され、さらに「脳嵌頓」なるものも。こちらは脳ヘルニアですね。
中の人を無理に出して勃起すると、中の人が赤紫色に腫れて悪い意味で膨張し、ひどい場合は皮膚が亀裂し、最悪、中の人が壊死してしまうこともあるそうです。痛そう!
そのほか、太り過ぎて腹肉に埋もれる埋没包茎を包茎の一種とすることもあるようですが、医学的には上記3つが包茎の種類として一般的と考えて良いでしょう。
西まごめ
部分的に「中の人」と気を遣っていますが、まったく無意味
週刊誌記者を経てフリー編集・ライター。美容男子クレオパトラ担当。