日本人女性として初めてBBCの「女性100人」に選ばれた、小林麻央さんが亡くなりはや3ヶ月とちょっと。乳癌は40代後半から50代前半の女性での発症率が高いとされてきましたが、最近では20代~30代の発症率が高まってきています。あの小林麻央さんも30代です。乳癌は早期発見出来れば治癒率の高い癌。セルフチェックと定期健診をすることで癌のリスクを減らすことが出来ます。「癌は怖いから」と目を背けずに乳癌健診を受けましょう!また男性だからいち早く気付くケースもあります。10月はピンクリボン月間といって、乳がんの正しい知識を広める世界的なキャンペーン期間です。男性も他人事とは思わず、大切なパートナーとおっぱいを守るためにしっかり読んで下さい。
乳癌検診の頻度とは?20代も受診!? パートナーを守るために男が知っておくべきこと
1.増加する乳癌…原因は肉食化?
乳癌の中でもわずか3%ですが油断だけは絶対にしないで!
乳癌は日本人女性がかかりやすい癌です。
およそ50年前は50人に1人、20年前は20人に1人。
そして今では12人に1人と左肩上がりに増えています。
その主な理由としては、食生活の欧米化の可能性が指摘されています。
もともと日本人の乳がんの発症率を1とした場合、アメリカ在住の白人女性は2.5と大きな開きがありましたが、その一因が食生活ではないかと言われているのです。
実際、アメリカに移住した場合乳がんにかかる確率があがったという報告もあるぐらい。
なかでもアメリカ産の牛肉には、肥育剤として女性ホルモンが大量に使われている場合があり、これが関与しているのではないかという説も。
しかし、乳癌は自分で気付くことの出来る癌です。
早期発見することによって、比較的治癒率が高い癌だとも言われています。
まだ腫瘍の小さな乳癌は、ほとんど命を脅かすことが無いとされています。
乳癌手術も早期発見ならば乳房を温存出来たり、自分の希望する手術法や治療法を医師と相談出来る可能性も高くなります。
今では早期に見つかれば10人のうち9人は助かるというデータも。
「乳癌が見つかったらどうしよう…」と怖い気持ちはわかりますが、知らないでいる事が1番怖いことなのです!
女性にとって大切な乳房。
そして大切なパートナーを守るためにも男性も一緒に向き合っていきましょう。
2.そもそも乳癌とは?
しこりのような物という認識だけでは足らなすぎますよ!
乳癌とは、乳房の中で母乳をつくるところや、その母乳を乳首まで運ぶ管(乳房組織)から発生する悪性の腫瘍。
腫瘍ができる場所によって、以下のような分類もできます(この辺は読み飛ばしても大丈夫)
「小葉がん」(小葉にできる悪性の腫瘍)
「乳管がん」(乳管に発生する悪性の腫瘍)
*ここからダイジ*
癌細胞が小さく小葉や乳管の中に収まっているうちは「非浸潤性乳管がん」と呼ばれ、早期の癌です。
しかし、癌細胞が乳管から外に出てくるような状態は「浸潤性乳管がん」と呼ばれます。
問題はこの「浸潤性」で、 これをさらに放置すると、やがて血流に乗ってリンパ節、骨、肺、肝臓、脳などの全身に転移してしまうのです。
乳癌の進行のステージは8段階
【ステージ0】
癌細胞が小葉や乳管に留まっている早期の癌です。
「非浸潤性乳管癌」の状態です。
乳頭や乳輪の湿疹状のただれがおきるパジェット病もここに分類されます。
【ステージI】
しこりの大きさは2cm以下の状態。
脇の下のリンパ節へ転移が認められないもの。
ステージ0〜Iまでが早期の癌と呼ばれています。
この早期の状態で発見出来た人の90%の人が10年以上生存率を示していて、ほぼ完治出来るとも言われています。
【ステージII】
★ステージII-a
しこりの大きさは2cm以下で脇のリンパ節に転移があるもの。
そのリンパ節に癒着や周辺組織との固定が見られないもの。
また、転移がなくてしこりの大きさは2cm〜5cm以下の場合は、ステージIIaになります。
★ステージII-b
しこりの大きさが2cm〜5cm以下で、脇の下のリンパ節に転移があり、そのリンパ節に癒着や周辺組織との固定が見られないもの。
また、転移がなくてもしこりが5cm以上の場合はステージIIbに入ります。
【ステージIII】
☆ステージIII-a
しこりの大きさは2cm以下で脇の下のリンパ節に転移があり、リンパ節同士の癒着や周辺組織と固定してしまっている場合や、転移がなくても胸骨内側のリンパ節が剥がれてしまっている場合。
またはしこりが5cm以上でリンパ節への転移が見られれる場合はステージIIIaになります。
「手術でしこりの除去や、リンパ節に対する手術が行えるのはこのステージまで」と言われています。
☆ステージIII-b
しこりの大きさ、リンパ節に転移があるか、ないかに関わらず皮膚にしこりが顔を出していたり、皮膚にむくみや崩れがある状態。
しこりが出来なくても、乳房が炎症を起こしたような症状になる炎症性乳癌はこのステージになります。
☆ステージIII-c
しこりの大きさに関係なく、脇の下のリンパ節と胸骨内側のリンパ節の両方に転移がある場合、または鎖骨の上下にあるリンパ節に転移が見られる場合はステージIIIcに入ります。
ステージIIIb、cの段階は薬物治療や放射線治療によってしこりが小さくなれば手術をしますが、原則として手術がほぼ出来ない乳癌のステージです。
【ステージIV】
骨、肺、肝臓、脳や他の臓器に遠隔転移している状態です。
手術は行わず、癌の進行や症状を抑えるための投薬治療を行うことになります。
3.乳癌検診は20代でも受診するべきか?
結論だけで言うと「YES!」
乳癌の発生は20歳過ぎから30代、40代、そして50代がピークです。
20歳を過ぎれば誰でも乳癌年齢になります。
つまり若い人でもなりえる訳なのです。
しかし自治体などからくる乳癌検診は40代以上が対象であることが少なくありません(例外もあります)。
「20歳を過ぎれば乳癌年齢になるのに、どうして40代以上だけなの!?」と思いますよね。
乳癌検診は一般的には20代の女性は検診不要。
30代の女性は任意とされています。
しかし、若い世代でも小林麻央さんのように30代で乳癌になる人も現実に居るのです。
お住いの自治体から検診の案内がない=「だから大丈夫」というわけではないのです。
こちらもあくまで参考までに、ですが、以下に当てはまる人はとくに注意が必要です。
【乳癌になりやすいと言われているケース】
■40歳未満で乳癌を発症した血縁者がいる
■年齢は問わず卵巣癌になった血縁者がいる
■年齢を問わず、血縁者に原発乳癌を2回以上発症した人がいる
■血縁者に男性乳癌になった人がいる
■BRCAという遺伝性乳癌の遺伝子異変が確認された血縁者がいる
■抗がん薬、分子標的薬、ホルモン治療薬のいずれもの治療が難しい(トリプルネガテイブ)といわれた乳癌の血縁者がいる
この中のひとつでも当てはまる人は家族性、遺伝性乳癌に可能性がある為、早い段階での受診をおすすめします。
20~30代の乳癌検診はエコー検査の方が適しています。
若い女性は乳腺が発達している為、マンモグラフィでは乳腺が白く写りしこりや石灰化との区別がつきにくくなります。
エコー検査では、乳腺があってもしこりを発見しやすく、すでにしこりがある場合はしこりの内部まで確認も出来ます。
基本的に自己負担になりますが、次に紹介する「セルフチェック」で気になる所がある場合は、一度受診しましょうね。
お金で安心が買えるなら絶対に買いです!
4.乳癌セルフチェックの方法
誰でも簡単にチェックできるので触診は毎月行ってみて!
乳癌を早期発見するためにも月に一度はセルフチェックをしましょう!
乳腺は月経(生理)終了後が1番柔らかく、しこりを発見しやすくなります。
なお、乳癌ができる主な箇所は、
▼乳房の外側 44%
▼乳房の内側上方 25%
▼乳輪、乳首 12%
▼乳房の外側の下側 9%
▼乳房の内側下方 4%
このように言われています。
乳癌のセルフチェック
【鏡でチェック】
1.鏡に向かい腕を下ろし、左右の乳房や乳輪の形をチェックします。
↓
2.両腕を頭の後ろで組んで正面、側面、斜め、前屈したり、背伸びをしながら次のチェックをします。
□皮膚の状態…赤みやむくみはない?/くぼみや盛り上がる部分はないですか?
□えくぼ兆候…腕を両手で押さえ、大胸筋に力を入れた時に乳房にえくぼのような凹みはないですか?
□乳頭の状態…ただれや湿疹、痒みはないですか?/分泌液などは出てないですか?
【手のひらと指でのチェック(触診)】
触診とは
・手のひら全体を使い、なでるように触れる「手のひら触診」
・第2〜第4指を揃えのの字を描くように触れたり、乳輪を中心に放射線状に触れる「指腹法」
・指を2本揃えて指踏みしながら触診する「指先交互法」
などがあります。
乳癌をチェックする時は、乳房全体をまんべんなく触診するのがポイントです。
【仰向けに寝てチェック】
乳房の内側を調べる時は、触診する側の腕を上げて、反対側の手のひらや指の腹で軽く圧迫しながら触診します。
この時、外側を調べる時は腕を下ろしてから触診しましょう。
※仰向けに寝て行う時は触診する乳房側の肩の下に座布団などを敷くことがベスト。
【脇のリンパ節をチェック】
脇の下のくぼみ部分にあるリンパ節にしこりがないかチェックしましょう。
【乳頭のチェック】
乳頭を軽くつまみ、血液のような液体が出ないかチェックします。
乳癌のしこりについて…
◎痛み…乳癌のしこりは痛みはほとんどありません。痛みがある場合は乳腺症に合併している可能性があります。
◎硬さ…パチンコ玉、石ころのように硬い感じのものや、マシュマロのような柔らかさでも中に芯のようなものがある場合は乳腺の可能性があります。
マシュマロより固くグミのような感じの硬さの場合は線維腺腫や乳腺症の可能性があります。
◎温度…癌化している場合は温度が高くなっているので触診の時に少し温かさを感じます。炎症がある場合は赤みや痛みもあります。
◎稼働性のありなし…周囲にくっついているような場合は癌(悪性腫瘍)の可能性があります。
その逆で、よく動く場合は良性のしこりというケースもあります。
その場合は癌に発展する事もあるので、いずれにしても受診しましょう。
乳癌のしこりの特徴はこれだけではありません。
セルフチェックの際に「いつもとなにか違う」と感じたら自己判断せずに検診を受けましょう。
5.おっぱいを守れ!パートナーの小さな違和感も気付ける男になれ!
大切な人の変化に気付く力が時には命をも守る!
さて、ここからが男性の出番です。実はパートナー(彼氏や旦那)が乳癌のしこりを見つけた、という話は多いのです。 女性は改めて自分の胸をまじまじと触る機会がなく、変化にも気づきにくいもの。 しかし、おっぱい大好きな男性だからこそ「いつもと触り心地が違う」「型が違う」などと気付く事もあるのです。
男性もセルフチェックのやり方を覚えて一緒にチェックするようにしてみてください。
パートナーを守るために、ちょっとした違和感を感じたら教えてあげて!
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