美容男子は男をアゲる美ジネスマガジンです。

彼女が許して欲しいのは

 

 

25年来の友人Mとは学生時代はときどきカラオケやお酒を飲む仲で、
30代は年に2度、互いの誕生日に数行のメールをやりとりする程度の付き合い。
それが2年前にひらいた個展に来てくれたことを機に、
その場に居あわせた別の友人と初対面ながら意気投合し、
点と点だった二人がそろってアトリエに遊びにやってくることとなり、
以降、不定期に昼から飲み食いしゃべるだけの会合をつづける間柄になったのですが。

その会合は、Mお手製の餃子とデザートを持参するのが恒例で、
餃子に辛いものを混入させたロシアン餃子なるものをワイワイつまむってな子供じみた時間がたのしい40代の私たち。

Mは同じ年の未婚女性ということもあってか、
ほんとうに毎回「結婚したい!」と口にし、
結婚やら恋愛が会話のテーマとなる時間がはじまるのも定番。

ほとんど幼馴染みたいな彼女に対しては、
日ごろ嫌われることを恐れ出番の少ない辛辣な自分を軽々と表現することができ、
結婚が目的ならばお見合いして最初の男と結婚すればいい。
好きな人と結ばれたいというのは「結婚したい」という欲求にプラスアルファの願望だ。
などと、言いたい放題でたいへん楽しいってことはさておき、
Mの結婚相手を募る意味も込めて、
今日はその人柄と彼女の理想を勝手に口外してみようと思います。

ちなみに、会の定番となったロシアン餃子の発祥は、
彼女が自分用に作り置きしている冷凍餃子に、
それを食べるときにワクワクできるためと、
カラシやワサビを入れ”ひとりロシアン”をしている、と聞き、
なんてさみしい女なの! と一同爆笑したことにあります。

餃子以外にも持参する料理は、
たとえば「ムンクの叫び柄の太巻き」に
こどもの日にあわせた「鯉のぼり柄の押し寿司」など、
料理とアート、料理とエンターテイメントを融合させてきて、
それが彼女の人間性と直結しているように感じ、実に興味深いのですね。

そうしたMが、真顔でちょっと懇願するように放ったパートナーへの条件が、
「私の創作料理を許してくれる人がいい」というもの。

え!そんなことが望み? と驚きながらも、
彼女が彼女らしく暮らすにはたしかに、
創作料理心をヨシとする相手である必要があるのだろう、と、
なんだか切ないようなおかしいような愛しさを感じたのでした。

ぼくは、料理が好きとか得意とか聞くと、短絡的に、
ファミレスに並ぶようなポピュラーなメニューをそつなく作れる人。
というようなイメージを抱くのですが、それはいうまでもなく偏見なわけで。

絵画に、抽象画や具象画といった見えがかりの違いに加え、
油絵、水彩画、ドローイングなどなど使用画材、表現方法の違いもあるように、
”料理好き”と一口にいったところで、
その最終形態は、さまざまにあってしかるべきなのですよね。

なにをもって料理とするかも人それぞれでしょうが、
たとえば「食べられるもの」を料理だとすると、
見た目が重視で味は二の次というものがあってもいいし、
形状はすべて無色透明な液体でいて、味や栄養素はさまざまなものを作りたいってな人がいてもよい。

同様に、結婚相手に望むものも千差万別が自然で、
自分がどのような時間を相手と過ごしたいかによって、
その条件が異なることはあたりまえなのでしょう。

って。言葉をこんなに費やす必要もないような普通のことを長々とすみません!

みなさんお気づきかもしれませんが、ただ単に、
”創作料理をする私を愛してほしい”という彼女の願いが面白かった、ということが書きたかったのでございます。

一応お伝えしますと、ぼくは、
料理の基礎もなっていないくせにレシピに自分なりのアレンジを加えたがるタチ。
そうしてときどき、捨てたくなるような味のサムシングが完成し、
食材への申し訳なさとともに食しながら、これが最後の晩餐でありませぬよう! と思ったりしております、です。

以上、本日もくだらないお喋りにお付き合いいただき誠にありがとうございました。
ニュー男子 拝

 

本日は、いつまでも蒼すぎる中年男子の悶々にお付き合いくださり、誠に誠にありがとうございました!

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