ええ、わたくしごとで恐縮なのですが、
絵の個展というものをひらくことになりまして。
いや、この記事がアップされているころには、もうひらいていまして。
このSNS全盛時代に、そうしたことを事後報告する自分を泣きたいような笑いたいようなそんな気分の朝であります。
絵の個展はこれで4度目になるのですが、
これまでは友人のつくったすてきな場所をお借りしてやらせてもらってきて、
今回が初めて、絵の展示をきっかけに知り合った人、場所でのソレになり、緊張しています。独白。
絵の個展。などというと、すごいね、と言われることもあるのですが、
ぼくの体験からの実感でいうと、その「すごい」の意味するところは、
発表会をできるほどの絵、ということではなく、
そうしたことをしようと思う気持ち、行動が「すごい」ということになると思います。
というのも、端的にあらわしますと、絵の個展は誰でもできるからです。
それこそ、お金と時間とやりたいという気持ちと、
えい! と実際にやってしまうあつかましさのようなものがあれば、
絵であれ写真であれ手芸であれなんでも、個展はやれる。やってしまえるんですよね。
ぼくは、そもそもなにもやりたいことがない人間として長く生きてきて、
運良く「文章を書く」という仕事が人生に飛び込んできたので、
作文をあたりまえのようにする日々が始まり、
そうしていくうちに、創作欲が強くなり、
小説だの、ポエムだの、自問自答だのと言葉による作品をつくるようになりました。
絵は、それこそ小学生時代の図工の成績が5段階評価の2にマイナスがつくこともあり、
完全に「苦手」意識しかなかったため、
まさか大人になって絵を描くようになるとは思いもしなかったし、
さらにはそれを人に見せようとか、見ず知らずの人にむけて発表するだなんて、青天の霹靂。
というような絵との歴史があり、
いまだに、絵を描くことも、発表することも、確信をもってしていることではありません。
でも、何度自問してみても、目下の自分には、
それをする以上にやりたいことが見当たらないし、
画材屋さんに行くと、子どもの頃にファミコン屋さんにいるような
あれも欲しいこれも欲しい、どれにしよう、迷う、迷う! ってなワクワクがあり、
買ったらすぐに帰ってそれをしたい、という高揚感ももらえ、
大人の自分は「うーむ。絵を描くのがなんだ?」と冷ややかなことを言うのですが、
子どもの自分をよろこばせるために、お金や時間やエネルギーを投じつづけているのであります。
さて、個展。
お店の方よりホームページに告知を載せるのでタイトルを送ってください、と言われ、つけましたのは「I」。
数字の1ではなくて、”私”の「I」になります。
お店の展示スペースは、柱が区切りとなって4つの壁面にわかれていて。
なもので「I」を4つのブロックにわけました。
そうして、数ある絵の中より感覚をたよりに22点を選び、
インタビュー時のようにノートとペンを携え1枚ずつ面談さながらに向き合い、
その絵から感じるイメージを、抽象的、具体的な言葉に置き換えメモ&メモ。
それら絵由来の言葉を脳内にインストールし、しばし寝かせ、
「つまりはあなたってこういうことね!」ってな具合に命名してゆきました。
ってなわけで、なかなかにスピリチュアルな名前の絵たちでございます。
そうしたことが実際の絵や展示に宿っているかはわかりませんが、
自分の中では、4つのゾーンを順番にたどるうちに、
私の誕生から私の終わりまでの感覚的な旅ができる、という意図をもっています。
もしもいらしてくださったら、そんなことを意識、意図してもらいながら見てもらうと、
無意識に見るより面白いかな、と思います。
さらに、一言。
絵を見ていただきたいのはもちろん、個人的には、
誰かとひととき時空をともにし、おしゃべりしたい! ってな思いが強くあります。
なので、なるべくたくさん会場に行こうと思っていて、
近いところだと、1日、2日、3日、5日、6日、9日は在廊というか入店しています。
気が向いたら、ぜひいらしてください、よもやまトークいたしましょ!
以上。たんなる告知を長々お読みいただき、誠にありがとうございました。
野村浩平 作品展「I」
期間:6月1日~30日 18:15~23:30
定休:日曜祝日
場所:JAZZ SPOT J
東京都新宿区5-1-1ロイヤルマンションB1
http://www.jazzspot-j.com/
19時よりライブ開始。
ミュージックチャージなどがかかります。
18時15分~19時まではチャージなしで絵をご覧いただけます。
ニュー男子 拝