白シャツ→ホワイトシャツ→ワイシャツ!?
カジュアルからフォーマルまで、様々なシーンで活躍する大人の必須アイテムのシャツ。 そのシャツの起源について調べていくと、話は中世にさかのぼります。
ちょっと女性の話に脱線しますが、その頃ボタンのついた服を着れる女性は身分の高い人だったとか。服は召使いが着せてくれるような人。他人に服を着せる時に、右側が上前になった方が着せやすいことから女性の服は右前になったとも言われています。
そうそう、みんなシャツのことを「ワイシャツ」と呼びますよね?そのワイシャツの語源はWhite Shirt(ホワイトシャツ)だということ、ご存知でしたか?そう、ワイシャツとは白いシャツのみを指すのが正しいんですね。
皇帝シーザーが着ていたシャツの原点
さて、話はシャツに戻ります。その歴史は古代ローマ帝国まで遡るようです。シーザーが着ていたのがシャツの元祖と言えば聞こえはいいですが、この頃のシャツはチュニックと呼ばれ、頭からかぶるようなスリット付きの布着れだったようです。 これに両ソデがついたり、重ね着をしたりするうちにスブクラと言う肌の上に着るチュニック、つまりシャツの起源が生まれたと言われています。
このような形は14世紀ごろまであまり変化しなかったと言われています。
そして中世になり、ようやくシャツが進化し始めます。頭を通す部分にネックバンドのようなものがつき、これがエリの原型になります。 エリは英語で「カラー」と言いますが、その語源はラテン語でコラーレと言い、首輪を意味していることからもうかがえますね。 同じ頃、ソデ口にもカフの原型のような別布をつけたものが出てきたようです。
デコラティブすぎるエリは、結局ボツに
16世紀から17世紀にシャツは装飾化が進んだと言われています。顎まで達するエリにヒダのようなものがついたラフと呼ばれるものが登場し、シャツを装飾したものが貴族階級の間で流行したと言われています。しかし、これらの形は、食事の時にとても不便だったため、後に下顎の部分が開いた扇形のものに変わっていきました。ネクタイの原型と言われるクラバットが生まれたのもこの頃です。
19世紀になるとシャツは簡素化、近代化を始めたようです。それはボタンが一般的に使用されるようになったからだとも言われています。 この頃に背中のヨークの部分も誕生したようで、今のようなエリ(台エリと羽の部分を折ったような形)もこの頃から見られるようになりました。 この19世紀のシャツが今のシャツの原型になってますが、この進化はヨーロッパからアメリカに舞台を移していったようです。日本でも戦前のシャツは台エリと羽が取り外し可能だったようですが、 どれもアメリカで考案されたものと言われています。そしてこの頃アメリカで初めてシャツ工場ができたことで、多くの人の手にシャツが行き渡るようになったといわれます。 20世紀になって、今のシャツのバリエーションが生まれましたが、バリエーションの話はいずれまた。