食べたいけど、やせたーい。
と思ったことが生まれてこのかた
もしかするとぼくは一度もないかもしれません。
なぜなら、つねに痩せているから。
というか誰かの目には「痩せすぎ」とみなされるほどに
ガリガリ体型だからであります。
そのような体つきは
女子からうらやましがられることがよくあり、
それはテレビやファッション雑誌などでつくられる
すてきな人のイメージとして
痩せている、やや痩せすぎていることがあるからではないか、
などと想像するのですが、
かくいうぼくもこのモデル風の長身(180cm位)痩身を
誇らしく思う時代がありました。
しかし、痩せ型がどの世界でも良しとされる
人間の理想の体型かというとそんなことはもちろんなく。
ぼくは、ゲイを自らが受け入れ
新宿二丁目のゲイタウンへ足をふみいれる
通称「(ゲイ)デビュー」をしたのは
25歳のころなのですが、
デビューしたその頃のゲイの世界においては
一般世界ではヒエラルキー(ゲスな世界観)の上部的その体つきは
なんと最下層だったのであります。
痩せていてすてき。ではなく、太れなくて可哀想。
という世界観がマジョリティー(に見えた)。
それはぼくにとって驚きショックなことであり
「ふつう」と信じていたものがただの個人的な思い込みだった、
と痛みをもって知った体験でもありました。
その後、職を得てお金を稼ぐようになると
都会ゲイのたしなみともいえるスポーツジムに入会。
いっときはパーソナルトレーナーまでもお願いし
運動はもちろん太る食事やサプリメントを摂取するなどして
体型改造にお金や時間を注いだのですが
超ガリガリがガリガリくらいへの変化の段階で挫折。
以後、肉で男を釣る作戦はあきらめました。
だって、面倒臭いんだもの。
ジムで運動する暇があったら寝たり本を読みたいんだもの。
とはいっても、
苦手を努力し理想を獲得するプロセスによろこぶ、
というようなスポーツライクな生き方への憧れは今もありますが、
憧れは憧れとして、
壁をのりこえず横道へ行く的自分を日々「OK!」としていくことに
ぼくはより価値を感じるのですよね。
そんな、人間だもの。
そんな、人間でいいのだもの。
そんなだらしなヨソージ(ヨギーニの風に)の
青い自問自答に本日もお付き合いくださり、
誠にありがとうございました!
ニュー男子 拝