男らしさを左右する男性ホルモン。
一般的に、一生のなかでの分泌量のピークは10代後半~20代前半です。思春期に男性ホルモンが急激に増え、筋肉が発達してがっしりとした体格になったり、声変わりをしたりと男性としての成長を遂げます。20代後半以降は、加齢とともに男性ホルモンはゆるやかに減少していきます。20代のころは気力も十分で、髪はふさふさ、肌にもハリがあり、筋肉もついて引き締まった体をキープし、性欲もあったはず。
しかし、40代になると、「なんだかやる気がでない」「寝ても疲れがとれない」「朝からだるい」など、病気ではないものの不調が続いたり、気力体力の衰えを感じ始めます。健康診断ではコレステロールが高くなっていたり、高血圧を指摘されたり、メタボリックシンドロームと診断されることもあるでしょう。性欲が低下したり、毛髪が薄くなって見た目の変化が気になる人も。加齢にともなって男性ホルモンが減少してしまうのは誰しもに起こり、避けられないことです。
ただ、歳のせいだとあきらめる前に、少し考えてみましょう。周囲に、自分と同じ年齢とは思えないほど若々しくてエネルギッシュな男性はいませんか? そういう人は、仕事もバリバリこなし、社会的にも成功していることが多いもの。ごく普通のサラリーマンでも、満員電車で姿勢よく立っていてパリッとして見える人と、いかにもダルそうにしている人。さまざまですよね。歳を重ねても元気で若々しい人と、歳の割には老け込んでしまっている人の違いはどこからくるのでしょうか?
ここでもやはり、男性ホルモンの量が影響しているのです。男性ホルモンの分泌量には個人差が大きく、多い人と少ない人では約3倍もの差があると言われています。いつまでも元気で若々しい人は男性ホルモンの量が多く、歳の割には心身老け込んでいる人は男性ホルモンが少ないと言えるわけです。ホルモンは、ほんの微量で(男性ホルモンの単位は「ピコグラム」といって、なんと1ミリリットルの1兆分の1!)その人のみかけや性格に影響を及ぼすだけでなく、ひいては人生を大きく左右するのです。
次週は、この男性ホルモンの分泌量が減ってしまうメカニズムについてお話しします。