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「もしかしてワキガ?」自覚症状あり?なぜ脇が臭うのかを徹底解説

たとえば汗をかいたとき、シャツの襟口からムーンと立ち上ってくる脇の臭い。夏はもちろん「厚着なのに暖房」というシチュエーションに追い込まれがちな冬だって例外ではありません。美意識の高い男子ほど「もしかして……ワキガ?」と思ったことがあるのではないでしょうか。他人のそれは秒速でわかっても、自分はなかなかわからないもの。また、わかったところで悩みがひとつ増えるばかり……。しかし、正体がわかれば怖くない! 傾向と対策の必要性は受験勉強でみんな学びましたね。というわけで、なぜ脇が臭うのかを徹底解説!

「もしかしてワキガ?」自覚症状あり?なぜ脇が臭うのかを徹底解説

1. ワキガとは?

 

そもそも「ワキガ」の定義とはなんでしょう?
私たちは(他人に対しては)なんとなく、本能的に「あれはワキガ!」と判断しがちですが、その違いを言葉で説明できる人はあまりいないもの。

その字面から、脇が臭う症状だということはおわかりかと思いますが、ワキガの正式名称は「腋臭症(えきしゅうしょう)」です。
字面がさらに直球です。

後述しますが、ワキガはそもそも汗が分泌される場所が違うために起こる症状
なので何か数値を測定するのではなく、脇の下をガーゼなどでぬぐい、においを嗅ぐことで診察します。シンプル!

 

 

2. ワキガに気付いた人の自覚症状とは?

 

ワキガの症状は、第二次性徴が始まる思春期から顕著になります。
なので、子供の頃からワキガ、ということはあまりなさそう。
それまでは無臭だった子どもが、成長に伴いワキから刺激臭を伴うようになるのです。

では、その自覚症状とは?というと、

ワキガに自分で気づいた人のなかで多かったのが「耳垢」

耳垢には、パサパサタイプとジメジメタイプの2つに大別できますが、ジメジメタイプがワキガになることが多いそう。

そのほか、多かったのは「自覚症状がない」というもの。

身も蓋もない話ですが、実は匂いというのは心理的な影響をものすごく受けやすい刺激でもあるのです。

というのも、匂いをキャッチする鼻の「嗅神経」は、脳から直接鼻まで伸びている、非常に原初的な神経。
ほかの多くの神経のように脊髄で乗り換えたりすることなく、匂いの刺激は鼻にある嗅神経でキャッチされると、そのまま脳へダイレクトに届きます。
しかも、脳のなかでも記憶や情動を司る扁桃体という部分に届くので、匂いは自分の感情や経験と非常に関連しているといわれているのです。

よくあるたとえですが、街中で元カノがつけていたのと同じ香水の匂いが漂っただけで、急に(そのときまですっかり忘れていた)彼女の面影が蘇った経験はありませんか? 
過去が長くなるほどそうした経験は「あるある」になっていきますが、これはまさに匂いが記憶とダイレクトに結びついているから。
そして、嫌いな人の香水(および体)の匂いは大っ嫌い! 
ということもままあるかと思いますが、それもまた同様です。

そして、自分のおならや足のニオイなどは「くっせー!」と思ってもつい嗅いでしまったりしませんか?
これもまた、同じく嗅神経が情動や感情と結びついているがゆえなのです。同じニオイでも、他人の足のニオイなんて絶対嗅ぎたくないですよね。それが一周すると、今度は「大好きな彼のおならのニオイも好き❤」という境地になるのです。
だがしかし、私はいまだ慣れません。くせーもんはくせえ。

閑話休題、そのようなわけで自分のニオイというものにはどうしても鈍感になってしまうもの。
だからこそ、些細なサインも「これは自覚症状??」と、見逃してはいけませんね。

ちなみに「俺、ワキガかも?」と思う自覚症状のひとつに「周囲の態度」というものもあるようです。

もはや「自覚症状なのかそれは」ですが、電車内などで明らかに顔をしかめられたり、鼻を押さえられるようなリアクションが続いて「まさか?」と思うことが少なくありません。

そして、友人や家族など、親しい人が指摘することで、自覚に至った……というパターンも王道です。

 

 

3. ワキガと汗臭いの違い

 

ワキガも汗の臭いも、原因は同じく汗。
しかし、その違いは汗が出て来る場所にあります。
通常の「汗臭い」は、運動などで大量に発汗することによって起こるものですが、通常、汗が分泌されるのは「エクリン汗腺」という汗腺からです。

エクリン汗腺から出る汗はそのほとんどが水分で、残りが塩分や乳酸など。
なので通常、ちょっと汗をかいたぐらいでは、たいして臭わないのです。
それでも運動などで大量に汗をかくと、いわゆる「汗臭い」状態になるのですが、これは古い皮脂や角質が大量の汗とともに流れ出るから。そのため、むわっとしたいや〜な臭いになるのです。

そして、それゆえに「汗臭い」と「ワキガ」の違いはどこに?と混同しがちなのですが、ワキガ(腋臭症)の場合はそもそも汗を分泌する場所が違います。
こちらは「アポクリン線」という汗腺から分泌されるのです。そして汗の色は乳白色とも。
「色つき」と聞くと、なんとなくそれ自体が臭いそうですが、実はアポクリン線から出る汗そのものも、匂い自体は無臭です。

では、あの本能的に「あの人ワキガ?」と思ってしまう特徴的な臭いは何かというと、アポクリン線から分泌される汗の構成物質にあります。この汗には皮脂やタンパク質、糖質が多く含まれているため、脇にひそむ常在菌によって分解され、それがあの臭いの原因になるのでした。

 

 

4. ワキガは黄ばみが出来る真相

 

また、ワキガのよくある特徴の1つに「黄ばみ」があります。
先の自覚症状と重複しますが、脇の汗ジミが黄色いことから「おや?」と思うこともあるようです。

これは、前述のようにアポクリン線から出る汗は、普通の汗と成分が異なるため。
そのなかで黄ばみの元となるのは、「リポフスチン」という色素によるものです。

リポフスチンはカラダからでる不飽和脂肪酸の1種で、酸化することで過酸化脂質に変化。それが血液中の成分と合成することでできる成分ですが、分泌量には個人差があり、多いほどワキガも重度に。

 

“この色素による色のつきかたには個性があり、人種によっても異なります。欧米人や黒人などでは、白い下着が「真っ黒」になることもあり、時には蛍光を発することもあります。日本人の場合には、茶褐色から薄い黄色のことが多いようです。”

出典:腋臭・体臭・汗対策 最新情報

 

後述しますが、海外にはワキガ体質の人が多います。そのため、黄ばみが黒ばみにまでなるケースも出てくるのでしょう。

ただ、白いシャツを長年着ていると、誰でも脇の下は黄ばんでくるものです。
けれど、イコールワキガ、ではなく、ワキガの場合は経年を待たずして黄ばむことが多いよう。また、黄ばんでいる部分とそうでない部分の境目がハッキリしている傾向もあるとか。
これは、通常の汗腺であるエクリン腺が全身に分布しているのに対し、ワキガの原因となるアポクリン線は脇の下や陰部、肛門など限られた場所にしか分布していないことと関係しているといえるでしょう。

 

5. ワキガは遺伝でなるの?

 

では、そんなワキガはどうしてなるの? というと、遺伝的要因も大きいようです。
というのも、ワキガの原因となるアポクリン線は誰でも持っているものですが、それが活発に働くかどうかは体質、つまり遺伝によるところが大きいため。

ただ、遺伝はあくまで「アポクリン線からの汗が大量に出る体質である」ということ。

アポクリン線から出る汗もそれ自体は無臭と先ほど書きましたが、それゆえに「親はワキガじゃないのに、なぜかワキが臭い!」という状況も起こり得るということです。
この場合、親は「アポクリン線は活発な体質だけど、ワキガは発症していない」という状態になります。

そこで、生活習慣や、場合によっては適切な治療が重要になってくるといえるでしょう。

 

 

6. ワキガがフェロモン!?モテる匂いだった!

 

日本人はもともと体臭が少ないことで知られています。
そのためワキガは敬遠される傾向にありますが、海の外に目を向ければワキガの人は決して少なくありません。

 

“欧米では8割もの人がワキガ体質と言われていますが、日本では1割程度にとどまり、そのうち悩みをもっている人は200~250万人と推測されます。海外ではワキガ臭が当たり前であるため、セックスアピールにすらなっているそうですが、日本においてはマイノリティーゆえに誤解されたり、敬遠されたりと散々です。”

出典:汗ナビ

 

なんにせよ、マジョリティが闊歩する世の中なのだと思わずにはいられませんが、日本ではそもそも数が少ないために悩みの種になってしまうんですね。
ちなみに脇のニオイが少ないのは日本人限定ではなく、モンゴロイド全体に言えることのようです。

むしろその「希少性」でモテにつながればよかったのでしょうが、出る杭は打たれるお国柄も関係しているかもしれません(推測)。
また、日本人の「きれい好き」っぷりは世界でも有名。
最近では香水や柔軟剤など香りを楽しむ文化も育まれてきてはいますが、それでもやっぱり「無臭」もしくは「微香」が好まれていることには変わりはありません。そのため、主張強めなワキガは肩身の狭い思いをするのでしょう。

他方、海外ではなぜワキガがモテにつながり、セックスアピールになるの? というと、そもそもワキガ体質が多勢を占めるところから、ニオイを隠すより「自分のニオイはこれ!」とむしろフェロモンと捉え、個性をアピールする方向に転換したのではないかというのが私の予想です。

香水といえばフランスが本場というイメージがありますが、かつて、アントワネットがウィーンのハプスブルク家から嫁いでくるまではフランスでは入浴の習慣がなく、みんな体臭は強烈。そのため、それを消すために香水が愛用されていました。
それぐらい、体臭の強さについての閾値というか耐性が、日本と海外では違うということですね。

 

7. 日本男子の3大「ワキの臭い」発表!

 

転じて現代日本の男性の脇のニオイ事情は? 
マンダムが興味深い調査をしていました。

調査対象は、20歳~55歳の日本人女性82名、20歳代と40歳代の日本人男性87名。評価方法は“無香料石鹸で腋窩を洗浄後、無臭のシャツを着用。24時間経過後の両ワキのニオイを、2~3cmの距離から直接官能を評価”というものです。

その結果、日本人男性の3大ワキ臭は「ミルク系、カレー系、すっぱい系」に大別されたとか。

しかも男性は総じて女性よりワキがクサい傾向にあり、年齢とともにニオイは減少する傾向があるということ。
そのピークは10〜20代だそうですので、性欲満タンの時期こそ脇がクサいといえるでしょう。
先の「ワキガ=フェロモン」説とも若干の符号を感じます。
(とはいえ30代以降は「ミドル臭」や「加齢臭」など他の問題も出てきますがさておき)

しかも、「匂い」というのは感情に直接働きかけるため、「クサい」認定は時として「キモい」よりも、女性から避けられる傾向にあります。
もちろんワキガは体質が主な原因。
本人に罪はないのですが……。
それも含めて個性だと言える世の中であったり、海外のようにフェロモンに持っていけるのが理想ですが、2017年今日現在は、ワキガと気づいたのであれば適切な対処をしたほうが、この国では生きやすいというのもまた事実。


香水で誤魔化そうとしても、いまや柔軟剤の多用で「香害」「スメルハラスメント」なんて言葉も生まれているぐらいですので、やはりまだまだ「無臭」または「微香」が好まれるお国柄といえるでしょう。
何しろ、日本の場合は乾燥している欧米の気候と違い、高温多湿なお国柄。
その昔、嘘かマコトかアメリカでは(地域にもよるでしょうが)「シャンプーはめったにしない。とくにブロンドヘアだと2週間ぐらいしたところで皮脂が髪にツヤを与えて『いい感じになってきた』というぐらい」という話を聞いて腰を抜かしたことがありますが、日本で2週間も髪を洗わないというのは入院以外まず聞いたことがありません。

多湿=雑菌が繁殖しやすいところからも、「ニオイ is bad」な文化が根づいたのかもしれませんね。

そして、たぶんこのページを見てくださっている方はワキガについて何かしらの興味・悩みがあるから訪ねてくれているのだろうと思うと、やっぱり適切な対処法があることをお伝えしたくなるわけです。
(俺の体臭はセックスアピールだ! という男子はきっとこのページは読まないはず)

原因がアポクリン線とわかっている以上、突き詰めて言えばそのアポクリン線を除去する手術もあるわけですが、それ以前にできる対処法も。

体臭が気になるという人は、まずは自分がワキガに当てはまらないかセルフチェックを。
その上で、しかるべき対処をすれば大丈夫。ワキガ、怖くない!!

 

 

西まごめ

「ワキガ」の「ガ」の起源が純粋に気になります。

週刊誌記者を経てフリー編集・ライター。美容男子クレオパトラ担当。

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