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言霊力アップの午後

 

 

両親より9月15日から10日ほど外国へ旅行に行くという報せがありまして。 そこには、お土産の希望があったら教えてというような親切フレーズが盛り込まれ、 相変わらず、やさしいなー、と思いました息子です。

その後、明後日から行きます、との再度の報告とともに、 このご時世、ミサイルが飛んでくることだってあるかもしれません。 なにかあった際にはここに家の鍵を預けていますから、よろしくお願いします。 というような一文があり、ギョっとなった。

お土産というのならば、では、お二人が旅を大満喫して無事に帰ることをお土産にしてください。 ってな返信をし、ひとまず旅関係のやりとりは完了。

そうして、本日が出発の日なわけで、 何時に発つかも聞いていないため彼らの今に関する想像は特にしていないのですが、 2通目の”万が一の際メール”を読んでからというものの、 何度となく、北朝鮮やミサイル、もしもの場合などといった良からぬ事態について 脳裏に瞬間的イメージがよぎることがつづいている。 そして、それこそが「思考の現実化」へのエネルギーの流れなのかもしれないな、と思うのであります。

母がそんなことをしたためなかったら、 ぼくは「海外旅行いいね」「ご夫婦仲良くてすばらしい」「お土産なんだろう?」など、 能天気なことだけをチラっと考え、あとは二人のことは一切忘れ、 目の前のことばかりに意識を向けながら過ごすうち、彼らは帰国していただろう。

けれど、たったの一文、恐ろしい未来を予感させるフレーズが織り込まれていたことにより、 いつもはスルーしている世界情勢ニュースや、上空を駆ける飛行機の轟音に、 母の予言を思い出し、うっすらと不安がわきあがるのでした。

言葉とは、これまでなかったものを一瞬で存在させてしまう魔法なのだと思う。

かつて放送されていた「あいのり」というテレビ番組は、 ワゴン車で世界を移動しながら、乗り合わせた男女間で恋愛感情を生じさせ、 「好き」と言った直接的な言葉を使わずに好意を抱いた相手に自分の想いを伝え、 相手の反応を感覚的に捉え、”自分たちはきっと相思相愛だ”と思い込めた時に、 旅を終える準備をし、相手を呼び出し告白をする。 その経過を楽しむ悪趣味といえば悪趣味な番組で、 ぼくは好みの見た目の男子が出ている期間だけ見たりしていましたが、それはさておき。

好き。と言葉にすることで現実が変わる様は、 その番組世界では決定的だけれど(告白すると旅を終えなくてはならない。その世界から離脱となる)、 ごく普通のこの世界でも、そのただの二文字を発してしまうと、 その二人の関係性は、以前とは絶対的に変わってしまうものだと思う。

そのように考えると、言葉って、多くの人が当たり前に使うことで、 空気みたいにあることさえ意識しないものかもしれないけれど、 空気と同じく、私たちの生活に多大なる影響を与えているものなのかもしれません。

時刻はただいま午後の4時。 父母は機上の人となったのだろうか。

ここ4、5年、9月生まれのぼくのカレの誕生日を母と3人、小さいレストランで祝っている。 せっかくだから、という枕詞を便利使いし、 前菜からデザートまで食べまくる宴は、あと何度行えるだろう。

死を意識したかのような母を現世に引き留めるように、 帰国して落ちついたら恒例のバースデーご飯会よろしくお願いします。 ってな”未来の約束”という言霊を送った。

そんな風に、言葉のもつトーンというかエネルギーを意識し扱うと、 ”言葉”というものへのリスペクトが芽生えるように思います。 そうしてその尊敬の念が言霊力をアップさせる気がするのですが、みなさんいかが思いますか?

以上、本日も最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。すてきな週末をお過ごしくださいね!
ニュー男子 拝

 

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