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個展前夜

 

 

5月の詳細はあまりおぼえていない。

いちおう社会人ではありますが、 手帳というものを買ってはみるもののそれこそ毎年3日坊主で、 予定一切はカレンダーに書き記す近年。

さらに、 ノンフィクション気分で書いてはいるけれど どうせ客観的事実などというものはあってないようなものだから、と そのカレンダーさえも見ずに、なんとなくの感覚で5月をふりかえってみますが。

たぶん5月は10日過ぎたころにようやく やっぱり案内状をつくって、日頃お世話になっている人に送ろう! と、一大決心をしたのであります。

一大決心ってあなた。たかが案内状じゃん。 と思われる方も多いかもしれませんが、当方、 お気づきかもしれませんがあまり働いておらずお金の余分がほぼない生活をおくっており、 案内状をつくることにためらう。 という、よくあるお金の問題という話で……。

また、こんなことを書くと営業妨害かもですが、 Jさんは基本的にジャズのライブハウス&レストランなので、 絵がばんばん売れるというイメージが持ちにくく、 金銭的リスクを抑えたいなー、ってな超庶民の感覚もあってのためらいでございます。

けれど、作ろうと思えたのは、ふと、 「あ。Jで個展をするこの機会は二度とないかもしれない」と、 なにをいまさらな人生のあたりまえに気がついた瞬間があったからであります。

そりゃ、個展が無事に終われたときに、 またやらせていただけませんか? とお願いすれば、 もしかすると二度目の個展をひらくことはできるかもしれません。

けれど、いつなにが起こるかを予知できないぼくは、明日死ぬかもしれないし、 突然のように絵を描き始めたわけだから、突如絵が描けなくなる可能性だってある。 人生とはいつだって予定調和ではない、恐ろしくそしてエキサイティングもの!

ってなあまり意味のない悩みと迷いの期間を経て、案内状制作へ。

決めれば動く、というのは物事の道理。 さっそく、これまで行った個展の案内状をすべてお願いしている高校時代からの友だちへ連絡。 すぐに快諾の返事がやってきて(Sさん、いつもありがとう!)、 そこからの10日くらいの間に 絵の撮影、案内状の文言ライティング、デザインの確認、紙選び、枚数決めなどを進め、 ぶじに完成したのはたしか5月の後半。 そうして、腰の重い案内状書きへ。

腰が重い書きましたが、宛名書きの作業自体が面倒ということではなく、 なんといいましょうか、それが自らの恐れと対峙する時間だからなのであります。

もらう一方の立場であったときには想像もしなかったことですが、 自分の描いた絵を片面に刷り、こうしたことをやっているのでいらしてください、と書く際には いつも”厚顔無恥”といった感覚になるのです。

だって、なんの意味も価値もないかもしれないただ好きに勝手に描いている絵ですよ? それをお金と時間をかけて印刷なんかして、さらには発表の場を借りて、 人の人生のタイムラインに土足で入りこんで、「来て」なんて、どのツラ下げて言うのか。そう思ってしまう。

受けとる立場で考えると、そこまで考えないし、 送ってくれてうれしいな、ありがたいな、って単純に思えるのだけど、 送るとなると、ぼくのどこかは毎度そんな風に揺れ、 おおげさにいうと、バンジージャンプを跳ぶような(跳んだことないけど) 勢いと勇気のようなものを要するのでありました。

さて、そんないつまでも青臭い自我を手なづけ働かせ、あれよと言う間に6月がやってきた。
ニュー男子 拝

 

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