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彼女は反逆者

 

 

満月の夜の話をまた違う角度から書きたいと思いましたので書きます。 その夜は、友人と終バスを逃し、タクシー?となったのですが、 早く家に着いたとして彼女としたいことはおしゃべり一本なので、 ならば、と、徒歩40分弱の道のりを歩くことにした。

歩くとなったら、買い食いしたいね、となり、 道中は深夜のスーパーへ向かうことに。 それで、前回も書いたのですが、 パック詰めされた焼きそばやら焼き鳥やらコロッケやらを購入したのですが、 ちょっとだけ乾杯したいよね、となり、ビールも物色。

ぼくはお酒はけっこう底なしくらいに飲めるタチなのですが、 友人はビール1本は飲めないかもと言い、 あ! と、とても良いことを思いついたように紙コップがあればいいと言いだし、 人気のあまりない深夜スーパーはレジにてちょっと聞いてみる、と言いだし、 「紙コップってありますか?」と尋ねた。

はい、もちろん。という雰囲気で、紙コップ売り場を教えてくれようとするレジ男子に彼女は、 ええと、そうじゃなくて。備品とかで紙コップがあったらもらえないかな、と思って。 というようなことを伝え、戸惑う男子にこれはもうすこし説明が必要かなとばかりに、 缶ビールで乾杯したいのですが、1本ずつはちょっと多いから紙コップがひとつあったら、って思ったんですよ。 と、あらましを話した。

備品の紙コップはちょっと……と引き続き戸惑う男子にお礼を言い、 けっきょくは1本ずつ缶ビールを買ったのですが、 会計時に彼は、これなら差し上げられますが、と、 焼き鳥とかを入れる透明パックを示してくれたが、それは辞退し、店をでた。

ぼくは付添人のように彼女の行動をそばで見ていたのですが、 なんだかもうおかしくて、おかしくて、おかしかった。

ねえ、あなた、それを売っているのがここなんだよ!!

そうして、深夜のピクニック会場である川べりへ向かいながら、 彼女にぼくの気持ちを伝えていて、思った。

売っているものをくれませんかなどと堂々と言うそれはここでは非常識だけど、 たとえば、これが顔見知りの商店だったら、「はい、紙コップ」となることだってあるかもで、 こうした理由でひとつだけ紙コップが欲しい、とまずは伝えてみるその在り方は、 時代や国が違えば自然なことになる場合もあるのだとしたら、 現代の経済社会?に対してのある意味で反逆者、ちいさな革命家なのかもしれない。

人って、自分ではふつうにしていることが、 ぜんぜんふつうじゃないことってたくさんあるのだろうな、とあらためて思う。

それはそれは些細なやりとりではあるけれど、美は細部に宿るというように、 ほんの細かいちょっとしたところにこそ、その人のオリジナリティというものはあるのかもしれません。

そんなことを思うと、 その夜は紙コップはもらえなかったけれど、 彼女がこの先もなにかのときにそんな非常識をかまし、 え? とその場の関係者をとまどわせて欲しいなー、と切に思う身勝手な私です。

さて。今日も今日とて結論めいたものはないのですが、 個性というものはたとえば「個性的なファッション!」みたいなあからさまで強いものだけではなく、 もっと身近で、ものすごくささやかな瞬間に無自覚にあらわされているものでもあるのかもしれませんね。

以上、本日も最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました!
ニュー男子 拝

 

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