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名刺の力

 

 

ぼくの人生初名刺は、 某週刊誌は「グラビア班スタッフ 野村浩平」というもの。 初めて編集部に「出勤」したその日に用意されていた名刺を携え、 初めての会議を終えたばかりのぼくは、 記者の先輩にお誘いいただき ある写真展のレセプションに行くこととなりました。

すこし話はさかのぼりますが ぼくは、東京総合写真専門学校という 文字通り写真の専門学校を卒業しているのですが、 そこで写真評論家の飯沢耕太郎さんという方の授業がありまして。

残念なことに内容はまーったく覚えていないのですが (写真の世界では有名な)あの飯沢耕太郎さんだ! というような ミーハー感覚で、初めての飯沢さんの講義を受けたことを覚えています。

さて。話の展開の予想はつくかと思いますが、 写真展はレセプションに、飯沢耕太郎さんがいらしていたんですね。 そこで、ぼくは「うちの新人記者です」と、先輩から飯沢さんを紹介をされたのでした。

つい先月まで、 ただのニート(学校卒業後ニートしていました)で、大勢の教え子のひとりだった自分が、 先生と、まるで対等のようにして(人同士は対等に間違いないと今は思いますが) 挨拶をして、世間話をしている! ぼくはなにも変わっていないのに、この長方形の紙切れだけでまったく世界が変わってしまった! それは、当時のぼくにはショッキングな出来事でした。

名刺が意味をなす。 という場所が、社会というものなのかもしれない。 遅めの社会人デビューを果たしたぼくは、世界の変化をそう理解したのでありました。

その日を境にしてぼくは 名刺の力(出版社、雑誌名の力)を受け、 ふつうは会えない人に会い、 ふつうは入れない場所に潜入する 記者の道を生きることになるのでした。

 

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